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抗議活動について、世界の人たちはどのような見方をしているの?①

国際ニュースでアタリマエのように抗議活動のニュースが報道されております。

そんなニュースを見ていて常に思うこと、

「デモ活動で本当に変わるのだろうか?」という疑問です。

でも、同じニュースでも国が違えば見方が違うということを国際ニュースから学んだ私は、自分自身の懐疑的な見方はいったん置いといて、

別の見方でこれらのニュースを観ることにチャレンジしたいと考えました。

そこで、「世界の人たちはどのような考えをもって抗議活動しているの?」という視点から抗議活動を考えながら、ボソッとしてみたいと思います。

抗議活動に直面した方々の生の声を聞くと、私には無かった事象の捉え方・見方があるんだなということが分かってきました。


最近の国際ニュースで取り上げられた世界の抗議活動


まずは、最近の国際ニュースで取り上げられている抗議活動を記載してみましょう。

①フランス 年金改革への大規模なデモ

②ドイツ 賃上げ求め全国規模ストライキ

③ペルー 全土で続く抗議活動と混乱

④イスラエル 司法制度改革への大規模なデモ

この他にも、トランプ前大統領起訴へのデモ活動が近いうちに起こりそうな気配がしていますね・・・

それでは、①~④の各抗議活動の内容をサラッとまとめてみました。


①フランス 年金改革への大規模なデモ

マクロン政府の最重要課題である『年金制度改革案』、その案の中身である「年金受給開始時期を62歳⇒64歳に年齢を引き上げる」ことに対して、各地で大規模なデモ、一部が暴徒化しています。

マクロン政権は少数の富裕者や大企業を優遇して、大多数の庶民の生活を軽視しているという理由で抗議活動が行われております。

公共交通機関がストライキで運休、また、ゴミの収集する作業員のストも拡大したことで、一時パリ市内はゴミであふれることになってしまいました。

しかも、観光業にも影響を及ぼしております。

デモ隊がルーブル美術館の入り口を封鎖したため美術館が終日閉館になったり、外国人観光客からのホテルキャンセルが相次いでいるようですね。

4/6にも全国的なデモが予定されており、フランスの混乱まだ続きそうです。


②ドイツ 賃上げ求め全国規模ストライキ

物価の高騰に伴って空港職員、鉄道職員の労働組合が賃上げを求める24時間の合同ストライキが開かれました。

空港や鉄道などの公共交通機関が閉鎖されため、市民生活に影響を及ぼしたストライキ活動となりました。


③ペルー全土で続く抗議活動と混乱

ペルー前大統領が拘束されたことにより、前大統領の支持者による抗議活動が各地で拡大、市民生活や経済に大きな影響を及ぼしています。

農村出身の左派のカステイジョ前大統領は”貧困層への手厚い支援を掲げた政策”を打ち出して大統領就任、貧しい人々を中心に支持を得ていました。

しかし、右派勢力と激しく対立、自身に汚職疑惑が持ち上がったこともあり、去年12月、ペルー議会が罷免を決議、さらに憲法違反により身柄の拘束がされてしまいました。

それを受けて各地で激しい抗議活動が行われてたことにより、ペルーの主要産業のひとつである観光業へも影響を及ぼしており、『マチュピチュ遺跡』は、今年1月、抗議活動拡大で非常事態宣言を受けて、一時閉鎖されたほどです。

解決の見通しは大変厳しい状況のようです。


④イスラエル 司法制度改革への大規模なデモ

イスラエルの新内閣による司法改革によって民主主義が脅威に陥るというととで、イスラエルのハイテク企業の労働者たちが中心となって抗議デモが行われております。

この抗議活動によって、ネタニヤフ政権はる司法制度改革が1か月ほど凍結となりました。


抗議活動を世界の人たちはどのような見方をしているの?

次に、デモが行われている国の方々のコメントから、どのような見方でデモ活動が行われているかを考えていきたいと思います。

下記に抗議活動に直面した方々の生の声をまとめてみました。

世界の人たちは抗議活動についてどのような見方をしているのか?


①フランス 年金改革の抗議活動への生の声

デモ参加者
「工場勤務や夜勤のある人たちはただでさえ大変な状況なのに、さらに2年も働かせるなんておかしい!」

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の「年金改革 大規模なデモの背景」2/16(木)放送分より

ストに参加しているゴミの収集作業員
「私たちの平均寿命は管理職の人よりも17年短いと言われています。(年金受給開始時期が遅れる時代では)このままだと働きながら死んでいくことになります。


パリ市内にゴミがあふれたため困惑している住民
ストなので仕方ありません、永遠に続くのは困りますけど。

「ごみを店の中で管理しています。このまま続くと店を閉めるしかないでしょう。」

「ごみを外に捨てている人もいるのですが、(ゴミ回収されない状況で)それはやってはいけないでしょう。」

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の「収集業者もスト パリの街 ゴミであふれる」3/9(木)放送分より

ルーブル美術館に訪れた観光客
「いま来るべきではなかった。私たちは3ヵ月前から予約して待っていたのに。」

「明日、大規模な抗議活動があることはわかりますが、でも、なぜ今日閉館なの?」


パリ市内で商売を営んでいる人
「(明日は大規模な抗議デモがあるので)通行できないので誰も来ません。売上ゼロの日もあります。」

「ホテルも予約も減っています。最近の映像を見てキャンセルが増えています。外国人客からの予約は全くありません。」

「カフェでは被害に遭った窓ガラスをあえて修理しないでいます。石を投げられました。この通りの他のお店も同じです。まだしばらくは無理ですね。このような状況ではテラス席も出せません。危険すぎます。」

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の「フランス ルーブル美術館を封鎖 閉館に」3/28(火)放送分より

(ゴミ収集3週間ぶりに再開後)

町の人
「歩道に大量のごみがたまっていたので車道を歩きましたが、これでまた歩道を歩けるようになります。」

「(ゴミ収集作業員の)彼らが来てくれてうれしいです。」


ゴミの収集作業員
「できるだけ多くのごみを回収できるように努力します。」


焼却所の入り口を封鎖しているデモ隊
何も諦めません、デモを行っていますが封鎖も決定的な圧力をかける手段です。」

「抗議行動を強化し続けることが大事ですから、できる限りやり続けます。」

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の「パリ ゴミ収集3週間ぶりに再開」3/30(木)放送分より


②ドイツ 賃上げ求め全国規模ストライキへの生の声

町の人
「電車で行きたかったのですが、長距離バスに変えた、これがベストです。」

「なんとかしないといけません。そうしないと職場にいけませんから。それに子供たちの送り迎えもどうするか。今日は大変です。」

「ストをするのが大事な人もいます。でも私は仕事に行かないと。」

NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の「ドイツ ストで公共交通機関ほぼ止まる」3/28(火)放送分より


③ペルー全土で続く抗議活動への生の声


ペルー抗議活動で亡くなった方の遺族(医師だった弟さんが亡くなったお兄さんの声)

「弟はこの場所で負傷者を助けていたのです。そのさなかに銃弾を受けて倒れました。」

「ペルー政府は大企業のことばかり考え国民に何もしてくれません」

「国民は忘れられ置き去りにされているのです。」

「正義が実現するまで虐殺の責任者が裁かれるまで戦いは終わらない。」


タクシー運転手
「残念ながら私たちの収入は50%近く減少しています。子供や孫もいるのに抗議活動の影響で生き残ることすら難しくなっているのです。」

NHK番組『国際報道2023』の「ペルー全土で続く抗議活動と混乱」3/29(水)放送分より


世界でアタリマエに行われている抗議活動を考える


私は抗議活動について当初このように思っておりました。

「デモ活動をしたら、他の人に迷惑がかかるだろうな・・・そんなことを考えるとデモ活動は限定的な活動範囲内で終わるんだろうな・・・」

実際、『フランス 年金制度改革への抗議活動』について、デモがどのような影響を与えたかという調査結果が出ております。

<3月23日のパリ市内のデモの影響についての調査>

商店の売上高(前年比):20%減少

ホテル(通常よりも:)28%減収

NHK番組『国際報道2023』の「フランス 年金制度改革への抗議 影響広がる」4/3(月)放送分より


この調査結果を観た私は「他人に迷惑をかけてはいけないなぁ」という感情が生じました。

日本人だったら、きっとこの調査結果をみたら、私と同じく「他人に迷惑をかけてはいけない」という感情が生じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


色々なものの見方があることを知る重要性

そんな『フランス 年金制度改革への抗議活動』ですが、観光業への影響が大きいことが分かったうえでも、【国民の6割以上が年金制度改革に反対】という最新の調査結果が出ています。

この調査結果とともに、抗議活動に直面した方々の生の声を聞くと、分かることがあります。


「世界の人たちはどのような考えをもって抗議活動しているの?」

”最後までやり通す強い意志を持って抗議活動をしている”

”周りからある一定の理解を得ながら抗議活動が行われている”

「そうかぁ、このような見方で抗議活動を捉えているんだ。私を含めて日本人として、これをどう捉えていけばよいのだろうか」


次回は抗議活動についてもっと身近に考えてみることにします。

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