見出し画像

クロス円の売りで為替もリスクオンが巻き戻し。米中協議の行方にも要注意。

1.昨日はここまでのリスクオン相場を取れてきたヘッジファンドから米株ロングを落す動きが見られたが、本日は為替でもリスクオンポジションも巻き戻す動きがあった。特にブラジルレアル(▲2.0%安)を中心に新興国通貨弱く、一般的にリスク感応度が高いEMが売られていることに個人的には警戒。本日はエバンスやウィリアムズといったFED関係者がスピーチを行ったが、ハト派な彼らですらここからの金融政策は“データ次第”と言っており、よほどの追加材料が無ければ更なる利下げは期待できないだろう。

2.米中協議が 12月に延期されるとの報道がロイターから出ているが、これが本当ならば見方を大きく変える必要がある為、注意が必要。記事によると“合意の条件”と“調印場所”が決まらない為、12月への延期が検討されているとのこと。 重要なのはこの“合意の条件"に 2500 億ドルの中国製品に対する一部関税撤廃が入っていること。9月の1100億ドルに対する関税撤廃を中国が求めるのは想定の範囲内であるし、米国側も受け入れられると思われる。しかし、それ以前の2500億ドル分までの撤廃を今の時点で要求するのは、あまりに交歩の玉が高すぎるし米国も受け入れないだろう。つまり、この報道が真実で中国が2500億ドルの関税撤廃にも乗り出しているのであれば、交渉の玉が高すぎてとてもミニディールにこじつけない可能性がある。フェーズ1の合意を前に再び両国の溝が深まるリスクがあるといえるだろう。

くその他クイックコメント>
※ブラジルは油田の入札が本日行われたが期待された以上にピットが集まらず、売られる結果となった。
※人民元のフィキシングレートは7.0080 と 7.0を上回る結果。当局もすぐに通貨高に持っていくという意図は無さそう。
※米10年債入札は堅調な結果。10年金利の1.83%付近にはそれなりの投資家需要を確認。米10債のレポがスペシャルで1%前半ということも堅調な入札となった理由の一つ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?