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Goodbye ムーアキャピタル。米中は何も決まらないとリスクが高まる。

トランプ大統領は FOX との電話インタビューの中で「習近平と一緒の立場でもあるし、香港とも一緒の立場でもある」と話しており、香港人権法案と通商交渉はトランプ政権も切り離して考えていることが確認された。特にトランプ大統領からすれば香港の問題よりも通商の方がはるかに重要という感じが伝わって来ており、中国側から見てもやはり次期大統領はウォーレンよりもトランプの方が “マシ” という風に写っているだろう。

選挙戦関係では、先日行われた民主党討論会について、ブティジェッジ氏が良かったとの声が多い。ただ、いずれにしてもトランプ大統領に太刀打ち出来る程のポテンシャルがあるとは思えず、一過性の話題に留まりそう。

マーケットとして注目しておく人物はバイデンとウォーレンという点は変わらずで、バイデンが筆頭に出てくると中国の通商協に対する立場が変わる可能性がある(詳細はこの記事の2段落目をご参考)。一方、ウォーレンの場合は彼女の政策そのものが株式市場を崩壊させかねないものなのでリスクとなろう 。

本日のマーケットは久しぶりに経済指標が注目されており、特に弱い欧州PMIが話題に。製造業 PMI は引き続き弱いことが前提となっているのでサブライズは無いが、ドイツ、フランス、英国とサービス業PMIの落ち込みが激しく、製造業からサービス業への波及が懸念された。一方、米国のPMIはリバウンドしておりこれが欧米金利のスプレッド拡大とドル高に繋がった一日。

来週はこのまま米中の合意日程が決まらないと12/15までの署名が間に合わず、徐々にリスクオフになると感じている。
トランプ政権は既に10月分を延期した手前、合意なしで再延期するのは妥協した感じが出てしまう為、やりたくないだろう。そのは話題、マーケット的には否が応でも12/15の関税発動が意識される。
逆にポジションが軽くなってきた印象もあり、日程が決まれば素直にポジティブで反応しそう。

話は変わるが昨日、大手マクロ HFのムーアキャピタルが主要ファンドを閉鎖すると発表。89年にスタートさせたムーアキャピタルは米株から欧州金利、アジア通貨まであらゆる金融商品に投資して驚異的なリターンを得てきた伝説のファアンドだが、ここ最近は成績が振るわなかった。

ユーカリアヘッジによるとマクロ系ファンドの今年のリターンは8%程度となっている。Long&ShortやFixed Incomeなど他の戦略と比べればまだマシな数字だが、S&Pが 25%近く上昇している中、8%程度のリターンでは投資家に説明できないだろう。もちろん、本来マクロファンドはS&Pのパフォーマンスと必ずしも競争している訳ではなく、安定した絶対収益で評価すべきではあるが。

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