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人が出会う交差点「1000年交差点」A面

GermanSuplexAirlines x 吉川舞
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点と点でいた人と人が
交差したときに生まれる話。
とある共通点をもちながら
出会っていなかった人たち。

そんな人たちが
ふと交差点に立ち止まって
初めましてと言葉を交わす。

偶然のような。
必然のような。

今回の交差点の名前は
「1000年交差点」

とある場所に点々と
なぜか1000年単位で
人間をみている
ふたりがいた。

カンボジアで遺跡に入りながら古代人と対話する吉川舞さん
日本でお寺に入りながら古代人と対話する風間天心さん

ちょっと交差点に来てみませんか?

どんな交差点かわからない
未知の場所に集うふたり。
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(吉川)今ですね、私は背景明るいんですけどもジャングルみたいなところにいる感じに見えますが、コンポントムというカンボジアの中でもちょうどおへそのところにある州にいます。サンボープレイクックという遺跡がここにはありまして、ここで生きていきたいなあと今から十数年前に思ってからですね、自分が生きていくのもいいんだけど、ここに今あるものってなんか多分人類にとって大事だなと思って。それをシェアするために、かれこれカンボジアで生活して12年くらい。そのうちのはだいたい1/3ほどをこの全然有名じゃないコンポントムという州にいます。今写真に写っている遺跡が私がカンボジアに来るきっかけになった場所なんですけども、今から1400年ぐらい前なので、日本で言うと奈良とか飛鳥の時代に建立されたサンボーブレイクック、豊かな森という名前を冠した遺跡がありまして、ほとんどここに惚れ込んだかたちで、今はここで旅行の仕事をしています。

(吉川)旅行の仕事ってなんだよって感じですよね。もうちょっと丁寧にいうと、大きなテーマはこのサンボープレイクックという遺跡と、その周りの大きな農村地域の中にボーンって遺跡があるんですけども、その村を舞台に「私たちこれからどうやって生きていくんだろう」とか、何百年後かに未来人が今の私たちのことをどういうふうに説明するんだろうとか、そういうことを日々考えています。何でそんな事を考えてるかというと、元々遺跡がすごく好きで。なんでか分からないけど遺跡がものすごい好きっていうところからカンボジアに来たんですよ。最初は遺跡を守るとか受け継ぐとか伝えるって事にフォーカスしてたんですが、だんだん、遺跡って今も生きているのかもしれない、寿命が違うだけで、今もいろいろな人たちと関わって生きているんじゃないか、ここから私たちが学べることは何か私たちにどうやってそこから学んだことを生かすことができるのか、みたいなことに興味が移っていってます。

(吉川)まずはそれをこの場所にきて遺跡の中と村の中に身を置いて感じて欲しい、一緒に考えたいということで、外から来た方をご案内できる役割としての旅行会社をやっています。それから、たまたまのコロナの始まりの頃にですね、色々縁あってこのすごい小さな、全然有名じゃない街のすごく素敵なホテルを引き継ぐことになりまして、旅行とホテルの仕事をやりながら、この地域に外から人が入ってきてそこで何かを感じていくお手伝いみたいなことをやってます。

(吉川)カンボジアはすごく細胞分裂が早い国っていうか、成長期の青少年みたいな印象というか、変化がすごい早いんですよ。日本だったら10年くらいかけて変化するようなことが、ポンポンポンと三段飛ばしくらいで進んでいくところがあって。たとえば私が初めて来た頃は、もう携帯なんてあのノキアの白黒のやつだけで、カラーですらない感じだったんですけど、そこから2010-2011年頃になると、みんながカラーの大きな画面のスマホとかを持つようになり。さらに今だと本当に村の奥の方に行ってもスマホ持っている人がいる。そういう変化が強い一方で何、変化していないものがすごく目につきやすい。私自身が変化していないものに対してアンテナが立ってるからそこに向きやすいのかもしれないですけど、ずっと受け継がれてきたものみたいなのがまだまだ残っていますね。

(風間)僕も数年前にカンボジアに行かせてもらって、そこでPokoさんと知り合ったんですけど、今の携帯の話とかもありましたけど、僕が一番驚いたのは電話線が殆ど通って無いから電話の代わりにスマホや携帯の普及率はものすごくて、なおかつ Facebook の登録のパーセンテージがとても高い。想像してたものとはちょっと違うところも結構あったりして。だからその今の時間のスピードの感覚っていうのが日本からだと感じ取りにくいので、面白い感覚だなと改めて思いました。

(吉川)それで言うと私は今主人と息子が首都のプノンペンに住んでるんですけど、私自身はコンポントムという州の州都に住んでいて、遺跡があるのはその州都からさらに車で45分ぐらい、35キロほど離れたところなんですよ。その35 km 離れた村と州都と首都で、全然時間の進み方とか、時代感というか、その地域を貫いている哲学みたいなのが本当に全然違って。私は日によっては1日でこの三つの場所を移動したりするんですよね 。村から州都に行って、州都から首都に行くみたいな 。そういうなかで、いっとき二十代後半ぐらいの時かな、消化不良みたいになった時があって。村でみんなで作ったものが2.5ドルで売れた!よかった!とみんなで喜んでいる。バスに乗って首都に行って、ふう移動疲れたなってちょっとカフェでアイスコーヒーを買うと3ドルくらいするんですよね。そのアンバランス感に、どうしたらいいんだろうというのもあったんですけど。全然違う時代感とかスピード感とかを肌身で体感する機会があるというのはすごく面白い環境だなと思ってます。


(風間)スピード感で行ったらいきなり話は飛ぶように聞こえると思うんですけどこの1年間で物事が色々変化してるなと。いわゆるテクノロジーの変化って、結局人間に関わるものだから割と同じような事なのかなと思っていて。僕がこのプロジェクトで軸としてぶらさないようにしているのは、今回も結局は人間の問題であって、人間が場合によって振り回されたりしてるんですけど、結局それも受け取り方の問題なので。だから今日の話もそもそも人間ってなんだろう、人間はどういう性質を持っているのだろうというお話ができたらなと思います。
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ここから古代を隣に寄せている二人が話していきます。続きは音声でラジオで。カンボジアの小鳥のさえずりBGMもお楽しみください。

こちらはA面です。
続きはB面で。
https://note.com/big_buddha/n/nb151cd4ddfeb

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