クイズアプリとウルナンム法典

 クイズのアプリをいくつかスマホに入れている。クイズアプリについていろいろ書いたら文字数を稼げるだろうが、今日はそれはしない。語りたいことには関係ないからだ。

 問題なのはある時出題された問題だ。「世界最古の法典は?」問題文は見返せないので、細かくは違うかもしれない。問題文と同時に選択肢の一つ目が目に入る。そこには「ハンムラビ法典」とあった。その時「ああどうせハンムラビ法典と答えさせるんだろうなぁ、本当は違うのに」と思った。かつて高校時代、ゲームセンターで挑んだクイズゲームで「ガリア戦記の著者は?」という問題の選択肢にカエサルが無く、アレクサンダー大王が正解となっていたのを見て以来、問題が間違っているという可能性もつい意識してしまう。昨年もテレビのクイズ番組で「ホルスタインはどの動物の品種でしょう?」という問題にウマと答えた解答者が不正解にされていて、「馬にもホルスタインという品種はあるのに」と思ったりしたことも思い出した。

 ところがである視線を少し移動するとあったのである。選択肢の三つ目に「ウルナンム法典」の文字が。僕はやるじゃないかと上から目線で呟いて、正解したのだが、その後で「いや、これ相当な難問じゃない?」という思いが込み上げてきた。
 僕はたまたま、本当にたまたま、古代史についてNoteに纏めている途中だったので答えられたけど、日本人でウルナンム法典答えられる人ってどれくらいいるんだろう?
 僕もそのたまたまがなければ、絶対答えられなかった筈だ。一応ウルナンム法典の名前が出てくる本は以前にも読んでいるんだけど、クイズの制限時間内に、というか時間無制限でも思い出せなかっただろう。ウルナンム法典の名前ではなくて、ハンムラビ法典より古い法典があることを思い出せず、普通にハンムラビ法典を選んで不正解になっていただろう。
 僕のこのエッセイともうちょっと真面目に書いた世界史コラムで「ウルナンム法典」の名前を覚える人が10人もいたら、日本での認知度が0.1%くらい上がるんじゃないだろうかなどと妄想すると楽しい。

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