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地獄に咲く蓮華 平沢進「ZCON」を見て

ZCON全参現地 備忘メモ ど素人新参。
初日2日目の感想は、印象重視でその日のうちに書いています。

○総括①

感動した。素晴らしかった。

そして確信した。

平沢進は地獄に落ちても良いんだ。

そこがオマエタチにとっての極楽なのだから。

あの人は地獄に居ながら、極楽を現出させる希代の天才だ。そう感じさせてくれるライブだった。

本人の佇まいや歌唱から悟ったことがある。

この人は「地獄」にいなければ、極楽を生み出すことはもはや出来ないのだと。

あれほど強く強く鬱屈した揺るぎない信念を長年抱え、それが全てガラクタだと悟った時、良い方に向かうとは思えない。

それほどの信念の強さを、多数派への絶望を、隠れ咲く沈丁花への歓喜を、生身の姿から感じさせられた。そしてそれは、本当に美しかった。

あの人は地獄でしか咲けない蓮華だ。

それに惚れちまったんだ。面従腹背でも、地獄に降りていくより仕方がないじゃないか。


○初日(3/25 23:46筆)

インタラ初参加だが、最バドエンなのに、めちゃくちゃ楽しかった。

一番心配していた音響、ギターや声が聞こえづらい箇所はあったが、ドラムがないからか、バランスは不死初日より断然良い。
生声の調子も非常に良好。パワフルかつ艶やかな歌唱に魅了される。

そしてまた一層かっこよくなっている。あんなにかっこよかっただろうか。並々ならぬ苦労をした後の師匠は、やはりイイ。衣装も会然以降で一番好きだ。

CGも個性的で良いセンス。ルビイ•シトリンの実写と、映像の組み合わせが上手。あのウサギは…ヴァーチュアルラビットがグレた?

黒白ピエロ、何言ってるかわからんなぁと見ていたら、まさかの師匠。滑舌悪くても仕方がない()

ジーコンがクルクル回る森の中の小屋、内部がドクターフーの宇宙船そっくりで、笑いを堪えるのに必死だった。


唯一気になった点。

台詞が多過ぎる。

個人的に、イントロや曲間いっぱいまで台詞が侵食するのはいただけない。

アレンジとは別の問題だ。曲は純粋に曲として聞けないものか。言葉が多すぎて全然頭に入らないし、興が削がれてしまう。

思いの強さに比して台詞も増えたのだろうが、音楽を聴かせたいのか、思想を聴かせたいのか。

ライブでは前者を優先して欲しい。せっかく音響も生声も、格段に良くなっていたのだから。


楽曲は全部好きだが、個人的にはCOLD SONGとクオリア塔にグッときた。前者はとにかくICE-9が嬉しい。タルボ弾き師匠をこの目で拝めた新参の喜び。
後者はあまり聴かない曲だが好きになった。ギターアレンジ変わってたかな。渋くて良かった。

狂い甲斐のない世界という点で、最バドエンは、今の師匠の心境に一番近いだろう。無事に実演出来て、内心しめたと思ったのでは。心なしかMCも機嫌良かった。オマエタチもルビイとシトリンみたいになるぞ。覚悟しろ。

○2日目(3/26 23:00筆)

2日目ともなると、台詞と曲のコラボ感にも慣れてきた。

音響が初日よりさらに良くなり、師匠の声も大変よく聞こえた。会然04が嘘のような素晴らしい生声。不死と比べてもダンチで良い。正直ここまで声が出るとは思っていなかったので、嬉しい誤算。歌詞をたまにミスるのも生声ならでは、むしろ嬉しい。このままキープしてほしいと強く思う。

ギターも不死やフジロより好調。最近は手の不調を心配するほどだったが、きっと大丈夫、まだまだ大丈夫だと思えて、本当に嬉しかった。無理のない範囲で、可能な限り頑張って欲しい。

議長を呼ぶまでの出囃子が好きだ。台詞無し音源が欲しい。

燃える花の隊列の導入が良い。ピアノとレーザーハープのシンクロが美しい。

今回、顕著な変化球アレンジはあまり無かったと思うが、タ終の間奏ギターを3日目に変えたり、他にも光るギターアレンジが複数あったと思う。抹茶EVOの音、非常に安定してて良い。

淡々と述べているが、、

還弦版のアートブラインド&LEAKで、情緒ギッタギタに破壊されて、号泣。

どちらも本当に大好き。

アートブラインドは、哀しみと怒りが「ミライハキレイニ」と共に洪水の如く押し寄せ泣いた曲。
LEAKは馬骨なりかけの頃、先に還弦版を知りノリノリで歌い、後から原曲とのギャップにやられた、思い出深い曲。

どちらも生で聞けて、感無量。還弦ver、壮大さが大音量生演奏に最適過ぎて泣いた。また是非やって欲しい。

○総括②
初インタラ、正直言って、始まるまで不安しかなかった。

コロナ禍、舌禍、地震、停電と立て続けにトラブルが続く中、WEBテストも心許ないし、直前まで指示来ないし、大丈夫なのコレ。

蓋を開けてみたら、リアタイで見た会然04以降の平沢ライブの中では、最もクオリティが高かった。細かなミスはあったが、文句のつけようのない完成度の高さだったと思う。

何より、

インタラってこんなに、こんなに面白いんだ!!

予想の斜め上で面白かった。

初日は思いきり適当に選んで不正解を叩き出し、凹んで皆様の分析を見つつ、2日目昼も予想外のトラップに驚き、侃侃諤諤の議論を重ね、満を持してラストにグッドエンド。

グッドエンドにふさわしい、大きな感動(&オチ)が待っていた。

これほど面白いライブは初めてだ。

こんな果てしないことを、20年前から、メジャーや大手スポンサーの後ろ盾もなく、孤軍奮闘で続けてきた平沢進、誰がどう見ても化け物だ。

本当に凄い。凄過ぎる。

私は単細胞だから思想はよく分からないけど、
「人間ってこんなに凄いのか」「私もこのように在りたい。輝きたい。悔いなく生きたい。」と、平沢進の歌う姿を見て、強く強く思えた。
あの力強さ•美しさがヒト科に備わった本分なら、人類はなんて素晴らしいんだろう、そう思えた。

それが一番大事なんじゃないだろうか。

Beaconで伝えたかったことも、難しいことは抜きにして、根幹はそこだと勝手に思っている。

どんな地獄に在っても、平沢進は極楽を見せる。

それが確信出来た、この上なく充足したライブだった。

ありがとう。これからも、たくさん、たくさん、魅せてください。



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