ポリアーキー理論

こんばんは。
今日から、大学や、独学で学んだ政治学についての様々な知見、自分の卒論、読んだ本をまとめておきたいと思います。
第一回のブログタイトルはポリアーキー理論。

R.ダールが提唱したと言われているポリアーキー理論とは、多元的理論と訳されうるものです。
ダールは、これまで近代政治学が核としてきた「平等」と「自由」の概念を、「包括」と「異議申立て」に言い換えます。自由とはすなわち、現在政権に言いたいことを言うことができる権利。それが異議なわけで、これが侵害されているということは、国民は自由が脅かされていると考えます。
包括とは、すなわち、どのくらいの人々が政治に参加しているかということです。選挙権を例にとれば、例えば戦前の日本というのは税金を多く納めている人だけに選挙権が与えられていました(制限選挙)。しかし、そこから、男子であれば選挙権が与えられるようになり(普通選挙の達成)、さらに戦後、GHQによって女性にも選挙権が与えられました。普通選挙というのは、すべての人が政治に参加しているという状態であり、これが国民として包括されているという現状なわけです。

さて、ダールは、平等と自由が達成されていくべきと考え、理想の政治体制を多元的政治体制であるとしました。

ただし、自由と平等は同時に進行していくものではありません。自由が先に進行し、その後、平等が発展していくというパターンもあれば、その逆もあり得ます。たとえば、イギリスにおいては、議会制民主主義において早い段階で自由は発展していきました。しかし、選挙は制限選挙であったため、平等については達成されていなかったわけです。その後、イギリスにも普通選挙が導入され、平等が達成されていきました。
それと逆の例として、第三世界の国々があげられます。第二次世界大戦後、多くの国で普通選挙制度が取られたわけですが、独裁政権、専制などの政治体制は残ったままでした。つまり、平等は達成されていたけれども、自由については遅れていたということです。
このように、やはり自由と平等は一直線に進むものではなく、ある種様々な紆余曲折がありながら発展していくものということになります。

次回は、このポリアーキー理論に近い、政治発展学派の分析をまとめていきたいと思います。

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