8月31日 日記的な詩

包装


たい焼きを買った
小さな町の個人商店
花柄の包装が懐かしい
包まれるものは温かく
包む紙は薄くとも
三時過ぎの日差しの中
たい焼きを一個オマケしてくれた
花柄の包装が温かい
後でそのたい焼きを食べた時も
包まれたものは温かかった
剝がされた包装も温かかった
私はそれがよかった
たとえ包まれるものが冷えていても
包装は温かく包むものでありたい


風を


風が吹いていた
風は私の頬をぬぐって
その先の未来へ吹いていった
風が吹いていった先には
涙を落とす音がある


関が切れて
溢れ出るものは止められなくて
私はただそのまま涙を流して
風のない部屋の中
一人泣くだけだったけれど
風はあなたの開けた戸から吹いて
私の涙を拭ってくれた


願わくば
風を
涙を拭う風を
私を救ってくれた風を
あなたにも

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