8月23日 前へ行くための詩歌


一つ
傷がついた
一歩
前に歩んだ
裸足の歩みは
路端の小石や
薔薇の棘に
傷つく
美しい薔薇の
痛々しい棘は
近づかなければ刺さらない
美しい薔薇の
美しい花弁の中の秘密は
近づかなければ開かれない
路端の小石は
留まっていれば刺さらない
眼前の道は
留まっていれば進まない
私は靴を脱ぎ棄てて
薔薇のもとへ歩こう
たとえ愚かだとしても
私はこの傷をすべて愛そう
たとえ苦しくとも
私はこの傷をすべて愛そう
心破れてすべてを忘れそうになるだろう
そしてまた、この覚悟をするのだ


散文


振り返れば過去は美しいけど今はいつだって苦しかった。どうも、不思議だ。思えばいつ
だって苦しい。だけど、過去の苦渋の吐露はなんだか懐かしく光り輝いている。不気味なく
らいに。人間本能として輝ける日々を作り出すのだろうか。それとも、美しさに今気づいた
のか。
思うに僕は自分勝手で、それを肯定したいのだろう。それが悪いとか良いとかそういう観点は要らない。客観的に見ることは人間には不可能なのだがどうしたってそれを求める。そいつの繰り返しで終わっていくのだろうか。この不穏さは、手にすべきでない不穏。腹の底にのたうつ「気持ち悪い」僕は愛されるべきなんだろう。つまりは語彙を放棄して、抱きしめるだけなんだ。そして今僕はその間で、覚悟を準備しているということか。
 一歩歩くだけでも何日も悩む。本当に不便な人間であるが、それでも、前に。


無季自由律俳句


CM だけ流れているような時間帯に一人寝る日


部屋の角の埃が少ない夜中


歌い叫んだあとの夜風って痛い


気付いてトイレ掃除する夜中


曲聴いてごまかす進捗と見向きもしない番組


肩に 30 人ぐらい座ってる人を見た後おれは?

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