9月9日 『サヨナラ』

Don't love me, I love you.

 
聞こえますか?聞こえますか?
聞こえるのならどうか聞かないでください
聞こえますか?
聞こえるのならどうか、どうか聞かないで
私のこれからいう言葉をどうか聞かないで
私はあまりに辛くて
私はあまりに苦しくて
あなたにこの声を聞かせたくて
それがあまりに厭で
だからどうか聞かないで
そしてどうか忘れないで
そしたらどうかきれいさっぱり私を忘れて
私はあなたを幸せにしたい
だからどうか私を憎んで
私はあなたのそばにいたい
だからどうか私から離れて
私はあなたといると楽しい
だからどうしようもなく辛い
私のことなど全て忘れて
私との想いでは幸せであって
私のことをどうか忘れて
私の言葉をどうか聞かないで
聞こえていますか?聞こえますか?
だったらどうか聞かないで
ごめんなさい
ごめんなさい
私はあなたを好きでした
だからもう二度と会うことはないでしょう
さようなら
さようなら



刺さった五寸釘を抜いている
深々と突き刺さって抜けない。
痛い
少し抜けてきたが、丁度いいストラップ掛けになることに気づいた。
痛い
ストラップが揺れるたびに痛いが慣れてきた。血は滴り続けているが。
痛い
今日はあまり動けない日だ
痛い
今日は少し動けた
痛い
今日はあまり動けない
痛い
痛い
痛い


星に願いを。


星が星座を描いているのではありません、星は私の心を描いているのです。
ほら、現にあの星はチラチラと私の方へ輝いているじゃないですか。
月だって星です。なので月も私を描くためについてくるし、輝いてきます。
もし私が死んだら、月も星も悲しがるでしょう。
え?そんなのは私の妄想だって?

そうですよね。
わかっていますよ、でも

こんなのは言い訳ですよね

月も星も私を見ていないですし、悲しがりもしないでしょう

さようなら


電話


「プルルルル…ガチャ。もしもし」
「もしもし」
「えっと、誰?」
「K、K だよ」
「ああ、何の用?」
「いや、別に」
「そう、そうか」
「ああ」
「………」
「………」
「今日は、暑かったな」
「ああ……」
「………」
「………」
「今日疲れてる?」
「…いや、別に…」
「そうか…」
「………」
「………」
「…死のうかな」
「え?」
「いや、何でもないよ………」
「そう………」
「………」
「………」
「………そろそろ切るよ」
「…そうか」
「じゃあ」
「ガチャン………」
『さよなら』


無季自由律俳句


歌っちゃっても浮かばれない午後


誰も待っていない待ち時間


散歩道、道しか見えないのはなぜ


街角と数日前の親切の思い出


さよならとつぶやく帰りの山道

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