9月8日 自責で破産している詩

復讐と怨恨


人を恨んだことは無くて
自分を恨み続けた
できないことは全て自分のせい
人生は自分の罪を数え上げる苦行
自死は他者へあまりに無責任だし
怪我や事故は迷惑極まりない
それでも慰めを求める心を
おれはいつも許せなくて
自分を恨み続けた
努力に向かえない俺の不真面目や
動けない俺の不健康や
叶いもしない俺の恋心は
俺はいつも卑しく思えて
自分を恨み続けた
呼吸もできない苦しさや
一人でおかしくなるつらさや
何もできない虚しさは
俺はいつも責任を感じて
自分を恨み続けた
後ろ向きな日は思い出す
今までの一つ一つの俺の罪を
これは見合った罰だろうか
苦しんでいる半面俺は喜んでいる
恨みが実り復讐している
俺は俺に復讐している


曇天秋風


外を吹く秋風は曇天相まっておれには耳障りだった。
まともに呼吸できない苦しさに俺は笑顔を零した。
つらい、つらい、つらい、今日だけのつらさではなかった。だから俺はもっと人を笑顔にしたかった。だから俺は今日誰とも会いたくない。引き裂かれるような気分。誰かを笑顔にしたいなら誰とも会うなと心の底から思ってしまう。暗い奴の戯言に笑ってくれる人に申し訳が立たない。淋しいだから誰とも会いたくない。俺は俺を殺したいのだ。俺は結局俺をずっと恨んできたのだ。今までの人生の多くを自分のできないことや達し得なかったことを数えてきた、やりたいことや理想さえもできない俺は俺を恨んだ。この世の総ては俺の責任となり、俺は俺の不幸を願った。こうして俺は俺が苦しむと喜ぶのだ。苦しくて嫌だから、復讐が果たされるのだ。今までできなかったことへの復讐。罪、罪。罪。罪、罪。それでも、耳障りな風の音をかき消そうと音楽をかけるのは、一つの逃避。やはり俺は卑怯だ。


虚しい日の話


夢破れた日の夢を見た
何にもできない俺のところに何人かの人がいるのは
やっぱり不思議だ
出来なかったことばかり数える俺は
一人でいるにはダメダメだけれど
他の人にはそんなこと言えない
震える俺は一人で布団を抱きしめて
温かさを求めて夢を見る


風の音うるさい秋の日で
上手い言葉を並べられない俺の詩は
どこかへ届くのか
俺のことが恨めしい俺は
一人でいるにはつらすぎるけれど
他の人には笑顔でいたい
狂った俺は一人で自分を痛めつけ
慰めを求めて夢を見る


くだらない妄想の幻を見た
慰めと辱めの俺の妄想は
罪悪感ばかりだ
ここに漂うつらい空気は
一人で死ぬにはもってこいだけれど
他の人に申し訳ない
哀しい俺は一人で自分の首を絞め
笑顔を与えて夢を見る


迷い


大いなる十字架を背負っているような
重い重い足取り
どれだけ他者に懺悔しようと
自らを愛することができない私は
其の十字架から逃れることはできない
幸福と程遠い苦難を自ら歩もうとする私は
人を幸せにすることはできない
全て、自分が傷つくことを求める私は
人を愛することは許されない
愛とは何なのだ?
自己犠牲しかできない罪を
私はどうやって償えばよいのだ?
想いも口にできない後ろ向きの男は
どうやって十字架を下ろすのだ?
美しいものや
喜びや
感謝に浸り
自分を慰めることだけが
今までの私の人生だ
全て慰めであり
同情を求め続けている
そのことを知っているからこそ
自分を愛することができず
自分を苦しめようと思うのだ
結局私の望みは私の死なのだ
光り輝く明日への生の道の跡は
死んでいないだけの灰色
残りかす
救いを求める卑劣な精神をどう許せばよいのだろう?
弱い弱い私の心はどう許せばよいのだろう?
私はどうやって私を愛せばよいのだろう?
私を愛する人はどうやって私を愛しているのだろう?
矮小な私はどうやって尊大さを得られるのだろうか


弱さ


苦しいから笑っちゃって
つらいから笑顔をあげて
淋しいから微笑んで
虚しいから笑って
泣いているから俺を嗤って
苦しいなら幸せにしてあげる
つらいなら笑顔をあげよう
淋しいなら微笑みを
虚しいならそばにいる
泣いているなら俺を笑って
厭だったら言って
嫌だったら離れるよ
否だったら消えるよ
いくらだって耐えるよ
いくらだって傷つくよ
いくらだって我慢するよ
こんな奴と供にいちゃだめだよ
もっといい奴はいる筈だ


俳句・短歌


一人座す 部屋の外から 風の音 おれのこともしや 嗤ってる?


笑顔漏る 哀しい心の 涙模様


秋風の 吹きさす外は 喧しく 胃を殴りつける 低気圧かな


風は俺を嗤っているんだ


きっと路肩の石ころのことだろう


雨降らず 損した心の 夕方は 風の音の 喧しきや


おれってなんだっけ


全ての物事のやり方を全て忘れてしまった

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