これから宣伝会議賞を目指す人へ②

・超基本編①
「てにをは」だけを変えたコピーは出さない。


賞金の100万円で呪術廻戦を大人買いしました。最新刊が待ち遠しいです。
どうもボキです。

というわけで、鉄は熱いうちに打てじゃないですが、さっそく1本目を。
と言っても、まずは本当に超基本のお話です。

ちょっと前まで審査員の方コメントに「てにをは」だけを
変えたコピーはやめましょう。
というコメントが頻繁に見られました。
ここ数年のコメントを読んでいないので、
いまだにそういうコピーが送られているのかどうかはわからないけど、
一応超基本ということで。

下のコピーを見てください。
いちばん最初のが、数年前にバスクリンの課題で3次審査まで
進んだコピーです。

お風呂を、美人の湯と呼ぶ母。
お風呂は、美人の湯になる。
お風呂が、母にとって美人の湯。

ぜんぶ、同じ意味のことを言っています。
「お風呂が」「お風呂は」「お風呂が」と「てにをは」を変えると、
一応はその後の文も少し変わった感じになりますが、
言っていることは同じ。
コピーを書き始めたばかりの人は、どれが一番いいのかわからなくて
「全部送っちゃえ!どれか当たればラッキー!」みたいな気持ちで
出してしまうかもしれませんが、これは致命的にやっちゃいけない行為。

一次審査の審査員は膨大な数のコピーを見ます。
人気のない課題でも数千本単位のコピーが送られてくるんです。
じっくりコピーを読んではくれません。
聞いた話では、一本のコピーにかける判断は2秒くらいなのだとか。
そんな中で「お風呂」と「美人の湯」ということばが入ったコピーが
3本も続いたらどうなるでしょうか。

「うーん、比べてみるとやっぱり『お風呂を』から始めたコピーの方が
味わいがあるなぁ!」

なんて悠長な判断、忙しい審査員は絶対してくれません。
むしろ同じようなコピーが続くことに苛立ちすら感じるでしょう。
おそらく、よほどいいコピーでなければ、全ボツです。
つまり1本だけなら残っていたかもしれない
『お風呂を、美人の湯と呼ぶ母。』を、
あろうことか自分のコピーで潰してしまうことになるのです!
なんということでしょう!
これを悲劇と呼ばずしてなにを悲劇と呼ぶでしょうか。

結論。
「てにをは」だけを変えたコピーはもちろん、
似たような言葉を使ったコピーは作らない。
今回の場合で言うと「美人の湯」というのが
フックになるワードになりますが、
お風呂を、美人の湯と呼ぶ母。がいいと思ったら、
「美人の湯」を使ったコピーはもう作らず、違
う表現を考える努力をするべきだと思います。

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