けじめ

2020年10月よりタバコの値段が上がった。

やめるには絶好機だったが、見送った。自分の吸っているタバコのパッケージが変更になり、20本入から14本入になると知ったからだ。20本入の在庫がなくなり次第店頭に14本入が並ぶとのことだった。これは結構ショックだ。

そこで、今までお世話になってきた慣れ親しんだパッケージのものがこの世からなくなるまで吸い続けようと決心した。世の中の20本入アメスピを吸い尽くすことが喫煙者としての自分の最後の仕事だと感じた。

2021年5月26日現在、自分はまだアメスピ吸ってる。吸い続けている。自分が吸っているのはたまに取り扱っていないコンビニもあるような少し希少な重さのものなので、在庫がたくさんあるのだろうと思っていたが流石におかしいと思い始めた。こんなに在庫抱えるなんてJTの生産管理はどうなっているんだ。

今日ネットで詳しく調べたら、14本入になるのはメンソールのものだけで普通のタイプは20本入のままらしい。知らなかった。全種14本入になるとばかり思い込んでいた。そりゃあ20本入がなくならないわけだ。生産しているんだもん。吸い尽くすなんて張り切って半年以上吸っていたけど、敵が強大すぎた。JTの生産量には敵わない。

参った。これじゃあやめられない。20本入である限りは吸い続けると誓ってしまった。男に二言はない。自分との約束も守れないような情けない男にはなりたくない。いやぁ、これは参った。

ここで三年峠というお話を思い出した。確か小学校の国語の教科書に載ってたお話だ。転ぶと3年で死んでしまうという峠で転んでしまったおじいさんは絶望するが、その条件を逆手にとって転びまくることで寿命を3年、6年、9年と延長していき大層長生きしたという内容だったと思う。

やめるという決心が結果的に吸い続けるという逆の方向に作用した、という点で類似性を感じる。自分もこの経験を絵本とかの形で出版したら学校の教科書に掲載されるかもしれない。

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