世界地図を真っ赤に染めたい
唐辛子、レッドペッパーが栽培され始めたのは約6,000年も前だと言われている。しかし唐辛子が世界に広まっていったのはわずか500年前以降だと言われている。スペインからきたコロンブスがが新大陸を発見したことが唐辛子を発見するきっかけとなり徐々に世界に広がっていったと言われている。
中米から広がっていく唐辛子の軌跡を辿っていくと世界中の料理、文化、歴史が学べるんではないだろうか。とふと「唐辛子の世界史」という本を読みながら思った。スペインへ持ち帰り、ハンガリーに伝わった唐辛子がパプリカになる歴史背景。オスマン帝国とオーストリアの関係と唐辛子。奴隷貿易を通してアフリカへと渡った唐辛子、そしてそこから生まれた様々なスパイスミックスや食文化。ポルトガル人によってインドに持ち込まれたと言われている唐辛子がインド料理に与えた影響とインドでの唐辛子の品種。メキシコから海を渡って中国に唐辛子が渡ってきたのか、それともシルクロード経由なのか。朝鮮半島には日本から唐辛子は渡ったと言われているが、なぜ朝鮮半島で唐辛子は根付き、日本では根付かなかったのか。そこに見える食文化と宗教の歴史もとても興味深いものである。そして唐辛子の出現により、徐々に需要を失っていったロングペッパーやパラダイスグレーン、胡椒のこと。唐辛子が出現するまでのその土地の料理と出現後の料理を比較し見るのもとても面白い。
メキシコから始まる旅は中米、南米をめぐり、スペインに渡ることになるであろう。ポルトガルに渡り、南下していく、マデイラ諸島、アフリカを通り唐辛子を多用するエチオピアにて独特のスパイスミックス「バルバレ」についてとその料理を学ぶ。そしてナイジェリアを通りインドにたどり着く。インド西部のゴアの歴史と料理からインド全土の料理を学んでいける。ここからはシルクロードを通るか海のルートを通るかは悩みどころである。シルクロードを通れば行き先は四川である。花山椒と出会い麻婆豆腐を学ぶことができる。海のルートを通ればインドネシアのサンバルを学ぶことができる。タイの料理にも唐辛子は欠かせない。そして南仏からカナダそして南部アメリカの唐辛子のケイジャン旅。ペルシャからモロッコへのペッパー&ミントの旅。唐辛子の道を辿っていくと世界中にいけるのである。そして私が唐辛子を頼りに世界を回った最後にたどり着くのはブータンでありたい。なんといっても世界一辛い料理を食べると言われているのだから。
メキシコから始まりブータンで終わるレッドペッパーワールドツアー。終わった頃には持っている世界地図は真っ赤に染まっていることであろう。
料理・文化・歴史を唐辛子を通して学ぶ。そんな講義をいつかは作ってみたいものである。
そしてブータンに行こう。
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