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JDGの強さを支える2つの戦術

強いJDGが帰ってきた!


ここ数年はその強さに陰りを見せていたJDGですが、今シーズンの試合を見ているとどこか全盛期だった2020年のJDGを思いだします。当時の様な戦いをまた見せてくれており、復活の兆しを見せています。
ここ数年もJDGのスタイルである、攻撃的でアグレッシブなゲームスタイルは変わっていませんでしたが、今季のJDGはそれに加えて裏付けされた戦略的強さがあるように思えます。これはここ数年のJDGが失っていたものでした。
そしてこれを取り戻したのは、他でもないこの男。

Hommeの復帰


HommeコーチのJDG復帰が大きいように感じます。Hommeは2020年JDGを春季優勝.worlds出場に導いた後、一度JDGを離れて休養に入りました。そして、今季Summerに復帰をしました。
Homme失くしてJDGのアグレッシブなスタイルは完成しません。

ではHommeはいかにしてチームを立て直したのか。
今回は自分が気付いたいくつかのポイントを上げて紹介し、JDGが昨シーズンからいかにして大躍進を遂げる事ができたのかを戦術面から考えたいと思います。

JDGの二つの戦術

1.Kanaviのアグレッシブなプレイを活かした序盤からのスノーボール


以前までのJDGはKanaviがアグレッシブに動きはするものの、レーンとの息が合っておらず孤立している感がありました。しかし、今季のJDGは違いました。

1.MIDのプッシュ主導権がある

2.リバーの視界を確保できる

3.サイドレーンがプッシュできる

4.オブジェクトに触りやすくなる

1と2は相互に作用しており、JGの有利がある(リバーの視界を確保できる)からこそMIDがプッシュできるという側面もあります。その為、JGが序盤に有利を取れるマッチアップかどうかも重要になってきます。

まず、MIDはプッシュアドバンテージを活かしてJGのKanaviの序盤の動きをサポート。
これによってリバーのコントロールを取り、サイドレーンがアグレッシブにプレイできる環境を作り出します。

プッシュ主導権を活かしてリバーファイトに先に寄れる状態を作り出す

有利なレーンには、早い段階でJG.MIDが合わせてロームすることで相手JGやサイドレーンにタワーダイブのプレッシャーをかけます。

そうする事でサイドレーンはプッシュできるようになり、Kanaviがオブジェクトに触りやすくなるという好循環が生まれています。

この戦術はMIDのプッシュ主導権とJGの序盤の有利を活かしたもので、JGとレーナーはかなりアグレッシブにプレイする必要があります。

kanaviという選手の良さ、JDGというチームのアグレッシブなスタイルを最大限に活かす事ができる戦術になっています。


ドラゴン意識の高さ

そしてJDGはオブジェクトの中でもドラゴンの優先度が高く、1ゲームあたりのドラゴンの獲得数は全チーム中1位。
そのため、ヘラルドを捨てることも度々あります。

ヘラルドと交換でBotタワーを獲得。赤側JDG

その理由としては、相手がヘラルドに触った際に、JDGはBotサイドにプレッシャーをかけることで簡単にファーストタワーを獲得できるからです。
相手のBotからすればレーンをプッシュされ味方JGがTOPサイドにいる状態では下がるしかありません。

しかし、JDG側としても相手がヘラルドを触っていることを知るためには視界が必要になります。ヘラルドに触ったのを見てからBotを押してもウェーブクリアする時間を与えてしまい、相手のカバーが間に合ってしまいます。

Kanaviが常にリバーの視界を確保し、レーンがプッシュできているからこそJDGのトレードが成立しています。

2.強力なBotサイドゲームからの1-3-1 集団戦構成

そして、一度序盤に有利を取ったJDGは止める事ができません。
中盤にかけてJDGは、1-3-1を開始します。
この1-3-1は非常に変則的なもので、瞬間的に3-1-14-0-1・0-5-0に早変わりします。

まず、Botの有利を活かしてMIDを常にプッシュし、サイドレーンに先に寄れる状態を作り出します。そして、サイドレーンで浮いたプレイヤーを見つけるとJGとSUP.ADCを合わせてキルを狙いにいきます。4-0-1や3-0-1

この際に逆サイドを押しているプレイヤーは、相手のカウンターアクションに備えてMIDにスライドを開始するかTPで集団戦に参加します。そうする事で逆サイドでの相手のカウンターアクションも封じる事ができます。

MIDのプッシュ主導権を活かしてサイドで人数差を作り出し、少しずつ自分達のラインを上げる

相手JG内の視界を確保し、徐々にラインを上げていきます。これによって相手JGの中を通る事ができるようになり、先にローテーションする事でサイドレーンのセカンドタワーを狙います。
そして、サイドレーンがプッシュ主導権を握れば素早くMIDに集合し、タワーを獲得します。0-5-0
このように、JDGは自分達の戦いたいタイミング.場所で勝負を仕掛け、人数差を生かした戦いで有利を広げます。

しかし、この戦い方は序盤に有利を築き、プッシュ主導権から自分達が先に寄れる前提の戦術です。
そのため、序盤のスノーボールが非常に重要であり、それを確実なものとするためにチームとしてここまでの戦術を実践しています。

まとめ

JDGは自分達の強みであるアグレッシブなスタイルを生かした戦術によって、MIDのウェーブ主導権とJGの序盤の強さを大きくスノーボールさせ、中盤からの有利の活かし方も相まってチームとしてかなり完成された動きを見せています。

Spring Season初めは負け越す事もありましたが、後半からは怒涛の6連勝でシーズンを3位で終えるなど、好調なJDG。ここからのPlayoffもJDGらしい戦い方が出来れば、優勝も十分に狙えるのではないでしょうか。

番外編 Hommeのメタを読む力とBPの上手さ

実はここまで戦術面の話をしてきましたが、JDGの本当に凄いところはBan/Pickの上手さだと思っています。HommeのBPを見ると初めの1st banから相手.自分達のやりたい事を明確に想定しているのが分かりますし、ほとんどの場面でBPの時点で有利を取れている様に思えます。

また、Hommeはメタ外のチャンピオンも積極的にピックします。2020年に、他にどこのチームも使っていなかったレオナを使っていたのを覚えています。
それからレオナの強さが評価され始めTOPメタになりましたが、初めにレオナを使い始めたのはJDGだったと思います。

今シーズンを見ても、最近はあまり使われなくなったビクターやケネン.スレッシュなども未だに使っているのはJDGぐらいになってきました。
この辺りでHommeが考えているメタの読みが他のチームとは違って面白いなと感じますし、今後新たなメタを作り上げるJDGらしいPickにも注目です。

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