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"LOLにおける駆け引きの要素:3つのラインの戦略的な役割"

はじめに

LOLには様々な戦術が存在しており、その中心となる戦術的要素が3つのラインです。これらのラインは、自分たちのエリアと相手のエリアを表現し、プレイヤーたちが戦略を練り合う舞台となります。今回は、LOLにおける3つのラインについて詳しく解説し、各ラインがゲームプレイに与える影響や、チーム同士の駆け引きにどのような役割を果たすのかを探っていきます。LOLの世界に足を踏み入れ、ラインに秘められた戦術の奥深さを探ってみましょう。

LOLにおける3つのラインとは?

LOLにおいては、両陣営に3つずつのラインが存在し、これらのラインは相手のエリアと自陣のエリアを表します。1stタワーが立っている時は1のラインが自陣エリアとなりますが、1stタワーが破壊されて2ndタワーの状態では2のラインとなります。そして、インヒビタタワーのみの状態では3のラインとなります。これらのラインはタワーの有無だけでなく、味方のポジションや視界の有無によっても前後します。さらに、ラインの前後によってウィークサイドやストロングサイドといった戦術を意図的に形成することも可能です。これらの要素を理解することで、LOLの戦略や駆け引きをより深く理解することができるでしょう。

基本となる3つのライン(両陣営)

ラインの役割と影響

LOLのゲームが始まる最初の時点では、ブルーサイドとレッドサイドは1番手前のラインからスタートします。お互いのラインで挟まれた中間のエリアはどちらにも属していないエリア(斜線部)になります。まず始めはこのエリアを取り合い、各レーンのプレイヤーはレーン戦、JGはリバーの確保やオブジェクトの管理、レーンへのサポート(ガンク)を行います。

開幕時どちらにも属さないエリア

レーン戦で勝利しタワーを獲得すると、取られた側のエリアが一つ下のラインになります。このようにして、取られた側は自分たちのエリアを失い、2つ目のラインまで下がることとなります。そして各レーンの1stタワーが折られた状態が2つ目のラインとなります。

タワーが折られてラインが1つ下がることで、1つ目のラインと2つ目のラインのエリアが自分達のエリアではなくなります。今回はブルーサイドがタワーを失った場合の画像ですが逆サイドでも同じことが起きます。このプロセスを繰り返すことで、相手のラインを押し下げていきます。

1stタワーが折れると斜線の部分がブルーサイドのエリアではなくなる。


ポジションと視界によるラインの影響

LOLの競技シーンでは、ウィークサイドやストロングサイドといった用語がよく使われます。これらはラインを活用した戦術の一つであり、ラインの前後にはタワーの獲得以外にもいくつかの要素が関係しています。

まず、味方のポジションによる影響です。例えば、レッドサイドのチームがドラゴンを獲得するためにBotレーンサイドに人数を多く寄せているとします。この場合、レッドサイドのラインがBotサイド側では前に動き、Topサイド側では後ろに動くことになります。

レッドサイドのラインの推移

Botサイドでは自分たちの有利な状態で戦えるのに対して、Topサイドではタワーがあるにも関わらず自分たちのラインが下がったことでタワー下でも安全な状態ではなくなります。これがウィークサイドやストロングサイドと呼ばれるもので、この場合人数を多く割いているBotサイドがレッドサイドのストロングサイドとなり、逆に人数が少ないTopサイドがウィークサイドとなります。チャンピオンのポジションによるラインの前後の変化が、戦術の立て方やプレイヤーの動きに大きな影響を与えます。

また、視界による影響も重要です。視界を多く確保できているサイドは相手のエリアを一時的に確保できるような状態で、相手のラインを下げることができます。逆に視界が制限されている場合は、自分たちのエリアを守ることが難しくなります。視界の管理が戦略的な駆け引きやガンクの成功に大きく影響を与えるため、重要な要素となっています。

視界の確保によって一時的に相手のラインを下げることも

要約すると、チャンピオンのポジションや視界の確保などによって、ラインの前後が変化し、戦術や戦局が大きく左右されます。LOLでは、これらの要素を上手く活用することが、勝利への鍵となります。

競技シーンにおけるラインの重要性

競技シーンでは、ラインを元にした戦術やアクションが多く展開されます。例として、LPLの強豪であるJDGの試合を挙げます。LPL Summer2023 PlayoffのBLG vs. JDGのGame2では、BLGがTOPレーンの有利を活かしてヘラルドを獲得しました。この時点でBLGはジャングルとサポートをTOPサイドに寄せており、TOPサイドがストロングサイドとなっています。一方、JDGは4人がMIDからBOTサイドにポジショニングしているため、TOPサイドには1人しかおらず、TOPがウィークサイドとなっています。両チームのラインの配置は次のようになっています:左側のラインがBLG側のライン、右側のラインがJDG側のラインです。BLGはTOPサイドに3人を寄せているため、TOP側のラインが高くなり、BOTサイドは視界も人もおらず低くなっています。対してJDG側はTOPサイドが低くなっているのに対してBOTサイドにはワードも置けており、ラインが高くなっています。この時点での両チームの状況を整理すると次のようになります。BLGのストロングサイドはTOPレーンで、ウィークサイドはBOTレーンです。一方、JDGのストロングサイドはBOTレーンで、ウィークサイドはTOPレーンです。両チームのラインを見てもかなり似たような形になっており、お互いのストロングサイドとウィークサイドが対照的な形になっていることが分かります。

左BLG右JDGのライン
オーンが危険な状況に

その後、ウィークサイドになったオーンは危険な状況を察知し、すぐにRを発動して敵のダイブから身を守り、ウェーブを安全にクリアします。

オーンのRでウェーブをクリア

同時に、他のJDGのチームメンバーは相手がTopサイドにリソースを割いていることを確認し、この時点での相手のウィークサイドかつJDGのストロングサイドであるBotサイドに侵入します。そして相手がBOT JGの視界を取り戻しに来たところを捕まえて3-1のトレードに成功します。

有利なサイドで戦闘を始める

JDGの選手たちは、ラインの動きを把握し状況を瞬時に判断し、ウィークサイドでは自分の身を守りながら、自分たちのストロングサイド且つ相手のウィークサイドで戦闘を始める的確な動きを行っています。ラインの前後は多くの要素が絡み合うため、チーム全体として戦略的な動きを行うことが重要です。

まとめ

LOLのゲームにおいて、3つのラインは自分たちのエリアと相手のエリアを表し、戦術的な要素として重要です。タワーの有無や味方の位置、視界の確保などによってラインは前後し、ウィークサイドとストロングサイドといった戦術を生み出すことができます。これらの要素を理解することで、LOLの戦略や戦局を深く把握し、勝利への鍵を握ることができます。

競技シーンにおいては、ラインの動きを把握し正確な判断を下すことが重要です。例えば、JDGの試合では相手のラインの配置を見極め、ストロングサイドとウィークサイドを活用した戦術を紹介しました。プレイヤーとしては自らの役割を理解し、ラインの動きに適切に対応することが必要です。

3つのラインの理解はチームプレイにおいても不可欠であり、勝利に向けた戦略的な動きに直結します。プレイヤーやチームは、ラインの動きを把握し、ラインに秘められた戦術の奥深さを理解することで、LOLにおいて有利に立つことができるでしょう。ラインに対する洞察力と戦術的な駆け引きは、勝利をもたらす重要な要素になっています。

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