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FGO『魔法使いの夜』コラボイベントクリア後雑感。【ネタバレあり】

昨日2024年5月2日に『Fate/Grand Order』(以下『FGO』)において開催されているイベント、期間限定「魔法使いの夜×Fate/Grand Orderコラボレーションイベント『魔法使いの夜アフターナイト/隈乃温泉殺人事件 ~駒鳥は見た! 魔法使いは二度死ぬ~』」の更新が一通り終了したようなのでクリア後の感想などを書き連ねることにする。

まず「アフターナイト」と銘打っていただけあり、『魔法使いの夜』の完全なる後日談だったな、というのがストーリーを読み終えての第一印象。
やはり事前にそちらをプレイしておいて大正解だった。
よく「FGOのコラボイベントはそれ単体でも楽しめる」などと言われるが、「楽しめはするが最低限」というのが正直なところで、どう考えても「しておいた方がいいか」と訊かれたら「しておいた方がいい!!」と答えざるを得ない。
冒頭に登場した草十郎を名乗る壮年男性を見て私は「ははーん、こいつは偽物に違いない。見た目もめっちゃモブっぽいし」とか思っていたら、あれ本当に成長した彼だったとか。
うわ、すんげー地味。
結構ショック。
他にも槻司鳶丸が探偵となって登場したのにも驚かされたし、彼の妻って明言されずとも久万梨金鹿ですよね?
隈乃院ヨシスケの正体だった木乃美芳助が元お笑い芸人だったなど、事前情報にはなかったあいつもこいつもが出て来ては、その度に「え!?そうなのォ!?」となるカタルシスも原作をプレイしてこそ得られたものだ。
『Fate/Samurai Remnant』の時もそうだったが、これはいずれいつかは来るに違いない『月姫』とのコラボイベントに向けてそちらもぜひともクリアしておくべきだ。

プレイアブルキャラクターとして追加されたのは、配布★4バーサーカー静希草十郎、限定★5フォーリナー蒼崎青子、限定★5キャスター久遠寺有珠
「草十郎は★4の格じゃないだろ」と予想していたのだが、結果は★4。
これまでイベント配布サーヴァントは大抵★4なのでまあ納得。
バーサーカーなのも言われてみれば。
即死宝具なのは可哀想な気もしないではないが、戦闘不能状態のまま場にいさせるよりは良心的か。
青子はフォーリナーで来るとは。
草十郎がバーサーカーと判明した時点でそちらの可能性は消え、おそらく有珠がキャスターなのは動かないと見てもアーチャーではなくフォーリナーだったか。
一度目の宝具に攻撃性能はなく『スーパー青子』に変身する、その後バスターやExアタックが全体攻撃になる、などなどオンリーワンな面白さはあるも周回向きではないと残念がる声多数。
が、その人気ぶりやバトルグラフィックと宝具演出の素晴らしさもあって宝具レベル5にするユーザー続出。
さすがはTYPE-MOON4大ヒロインの一角。
そして私待望の有珠。
★5サーヴァントにまだクイックの全体攻撃宝具キャスターがいなかったのでそこを予想していたのだが見事的中。
……でも嬉しくない。
クイックには不向きな耐久寄りの性能の上に攻撃力に下方補正のかかるキャスター。
「愛さえあれば」とは思いつつも、完全体にしたところで等倍相手には微妙な感じではさすがに萎えるというもの。
あとあの宝具演出の「頭パーン!」も私の好みとはかけ離れ過ぎていてさらにマイナス。
泣く泣くとりあえずバレンタイン用に1人だけお迎えしました。
フリークエストの90++を彼女で周回したい気持ちは捨て切れないので、我慢できずにもう1枚重ねる可能性はなきにしもあらず。

蒼崎燈子はサーヴァントとして実装されず。
礼装に採用されていた時点で察するも(ルゥ・ベオウルフもそうだったが)、シルエットでのストーリー登場すらなしとは。
いやー、これは周年サーヴァントクラスの扱いで温存されてますね。
いつになるか分からないコラボイベント第2弾よりはそっちでは。

イベント特攻サーヴァントたちはなにやら意味深なチョイスだったものの、原典を匂わせる絶妙な立ち回り。
さすがの奈須きのこ脚本ならではの動き。
村正の「士郎さん」両儀式一家などは古参ファン垂涎のご褒美。
反面、果心居士には良い所がなかったですねー。
人形=蒼崎燈子のミスリード要員として損な役回りを与えられてしまった感。
そうそう、芳助が入れ込んでいたアイドル・水嶋まさご
「まさご」=「真砂」=「数が多くて数え切れない」とはなんとも皮肉。
あの旅館内にベタベタ貼られていたポスターが彼女なんでしょうね。

今回のストーリーに関して、「いくらなんでも天丼が過ぎる」との声を耳にするが、芸人の金言で「天丼は2回まで」というものがあるように、奈須きのこの中でも笑いのエッセンスとしたのはその辺りまでで、それ以降は異変、異常事態としてのインパクトを重視したのではないか、と私は考えている。
蒼崎青子は都合5回死んだ。
もはや笑い事ではない。
そう、コメディの意味ではなく「笑えない」状況になっていた。
相手がとっくに笑わせようとしていないのに「笑えねーよ」も何もないのだ。
異常な状況はギャグにしか映らないものだが、「ギャグらしきもの」をギャグそのものとしか捉えられない読解力では100%楽しめなかったのではないか。
「ひとつの章が長い!」とのクレームは現代人ならではか。
私などは「そんなに奈須きのこのテキストが読めるなんてラッキー!」と思ったものだが。
ぶっちゃけシナリオを楽しまずしてFGOにどれほどの魅力が残るというのか。

「今回主人公の影が薄くないか?」などと当初言われていたが、なにをなにを。
のっけから青子による「使い魔が強ければ強いほど術者の体力も精神力も、自分の証明(アイデンティティ)も消耗していく」との痛烈な指摘があったではないか。
そしてそしてそして!
終盤に判明した主人公の願い。
「好きな人とパン屋を開くこと」
ゲームの主人公とはプレイヤーの分身でもある。
なのでゲーム主人公の濃い人間性は忌避されることも多い。
ライターによって性格や言動が違ったり、時には無味無臭になったりすることもしばしば。
この吐露は藤丸立香史上最大級の人間臭さの発露だったのでは。
最大のピンチの場面でああいうこと言われちゃうと、プレイヤーは鈍器で側頭部をガツーン!とやられちゃいますわね。
今後カルデアに空前のパン作りブームが起きるトンチキイベントが来そうな予感。
清姫とかえらいことになりそうだ。

鳴り物入りで開催された今回のコラボイベント。
その力の入りようたるやフリークエストの他に毎日2時間限定の『怪異大量発生クエスト』あり、高難易度クエストのさらに上の超高難易度クエストまで久々に登場。
ストーリーのみならずゲームとしても楽しませようと意気込みが伝わってくる。
敵がフォーリナーばかりなのでアルターエゴの戦力が充実しているかどうかで体感難易度がかなり変わるに違いない。
攻略サイトなどでは「このゲームのアタッカーは強いバーサーカーさえいればいい」的な風潮が支配的だが、実際はそうはいかないのが現実だ。
私も今回改めてバゼットの復刻があった時はなんとしても重ねようと誓った。
強い彼女を所持しているかどうかでこうも快適さが変わるものかと衝撃を受ける。
「1年に何回輝ける時があるというのか」などと声高に引かない理由を喧伝する者がいるが、ここまでストレスを軽減できるならリソースを注ぎ込む理由には十分だ。

この『魔法使いの夜』コラボイベントはさすがの作り込みで大変楽しめたのだが、最大の心残りはやはり新規実装サーヴァントの性能だった。
個人的に配布★4が一番使い勝手が良かったというのが残念であり、せっかくの看板ヒロインの実装だったのだから、もっともっともっともっと盛っても不満は出なかったと思うのだが。
いや、そんなものはいずれ強化クエストで手の平を返させればいい。
その時こそ私も「あの時はごめんね!」と大手を振って有珠の宝具レベルを5にするとしよう。
それはオンリーワンの願いなどではないだろうから。

はたしてアフターナイトの続きの夜は訪れるのか。
それとも夜が明けたあとに何かがあるのか。
今は想像すらつかないが、その必要もない。
もうしばらくこの夜を楽しもうか。

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