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『WINTER and WINDOW』で「新しい風」は吹いたか。

『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(以下『デレステ』)のイベント『WINTER and WINDOW』が終了した。
このイベントはデレステのクリスマスイベントであったと同時に、総選挙Stage for Cinderellaの本戦の結果を受けての総決算イベントでもあった。

2023年のボイス新規獲得アイドルの大トリであり、第11代目シンデレラガールに輝いたイヴ・サンタクロースのボイスキャスティング&収録をよくぞ間に合わせてくれた!と拍手を送りたい。
運営はクリスマスというこのタイミングをなんとしても逃してはならなかったわけで、Stage for Cinderellaの結果が出たと同時に動き始めたことだろう。
イヴも自ら「クリスマスといえば私!」と息巻いていたし、高森藍子も「運命」と位置付けていたし、本当にジャストタイミングで開催できてよかった。

これは私の想像でしかないのだが、初期の運営はまさか将来イヴがシンデレラガールに輝くようなアイドルにまで育つとは予想だにしていなかったのではないか。
しかもあんなにも劇的に。
イヴは季節アイドルであり、プロデューサーとの出会いのエピソードも実にユニーク(*配慮)だし、『シンデレラガールズ劇場』での昆布水着のやらかしもあったり、とぶっちゃけ色物の一角だったのに。
プロデューサーとの出会いのエピソードがこのイベントコミュ内で再度触れられるとは思っていなかったので嬉しいサプライズだった。
プロデューサー曰く「イヴといっしょだと温かくなる」らしい。なるほど。
……なるほど?
ふむ。
いやあ、これだから面白い。
まさに「事実は小説よりも奇なり」である。

イヴは配るプレゼントを自腹で用意していた。
これはアイドルとしてのギャラのほとんどを寄付に注ぎ込んでいるクラリスに近いものがあり、こんなところでも『ホーリーナイトウィッシュ』の絆を感じることができてニヤリ。
アイドルとしてとっくに売れっ子であるのに未だに清貧を貫くキャラクターは何人かいるが、この2人はその理由が納得できるものがある。逆に言えばライラや安部菜々は謎のままだが。

『WINTER and WINDOW』はやはりと言おうか、イヴにかなり寄せた内容だった。
クリスマスイベントであり、しかもシンデレラガールに輝いたこともあり、それに関しては何の文句も問題もない。
ただし、「イヴ・サンタクロースというアイドルのバックボーンを補完し過ぎたのでは?」とは思わないではない。
あまりここで語り過ぎてはアイドル個別のストーリーコミュのシナリオが困るのではないか、とか余計な心配をしてみたり。
ここでイヴが正真正銘本物のサンタクロースであることが公式に確定されたのにも大きな意味があった。
そこに疑問を呈した高森藍子の強心臓(天然?)も評価に値する。
なんでも彼女の父と祖父もそうであり、代々のサンタクロース一族であったことも判明した。
現代社会においてはサンタクロース協会に資格申請して認可を受ける必要があるのだが、そこは夢のあるフィクション世界なので無粋なツッコミは無用だ。

イヴに対する各アイドルの理解度やスタンスにはかなり違いがあった。
高垣楓は「センターに選ばれても気負い過ぎないところが、とてもイヴちゃんらしくていい」と意外にも理解しており、対して一ノ瀬志希は「イヴちゃんがやる気あるのはアイドルだから?」と内面を窺う。
楓にとってイヴは「お酒の力を借りなくても自分からハグができる」貴重な相手であることも新発見され、運営が今後この組み合わせを推していきたいことを匂わせる。
イヴは志希の問いに「ファンのみなさんに最高のプレゼントを」と返し、志希は「そういうことなら」と納得する。
今回のイベントは志希が全体を通してやや丸くなり過ぎていた印象を私は持ったが、彼女に本領発揮をさせてしまってはまとまらなくなるであろうことはこのメンバーなら容易に想像がつく。
久川颯は「イヴのサンタクロースとしての信念がLIVEを作るヒントになった」と、藍子は「楽しそうなことに向かっていく元気さを一緒にいる間にイヴちゃんから沢山分けてもらってた」と語り、イヴはそれについて「人の温かさは一方通行じゃない。プレゼントを渡すときってプレゼントを貰っている」と語った。
LIVEがチャリティーLIVEになったのは颯と藍子のイヴ評が決定打となったと言えるだろう。
余談ではあるが、颯が自身の出身地の徳島県に流行が遅れて届くことと実家との距離によるホームシックでイヴとシナジーを感じていたのが面白かった。
徳島県=日本のグリーンランド説。

今回プロデューサーはアイドルたちにセットリスト、ステージ、衣装イメージ、グッズのアイデアを任せる。
相変わらずの丸投げで「総選挙本選のLIVEでまでそれか」と思わないでもないが、もはやお約束の領域なのでツッコんでも面白くならないので割愛する。
だが無責任では決してなく、責任を取るつもりはしっかりあるのでどこぞの社長よりはよほどマシだろう。
エンディングにて颯にそうした意図を問われた時に「新しい風を吹かせるため」だとプロデューサーは答え、346プロダクションのLIVE運営チームはプロデューサー含めアイデアが枯渇していたものと思われる。

今回の『WINTER and WINDOW』の参加メンバーはイヴ以外の4人がすでに各グループで一度総選挙楽曲に参加していることもあり、これまでの望月聖や大石泉以上にイヴの色が濃いイベントとなった。
その登場スパンも遠いものではなかったためにデレステシナリオチームにしてみれば各アイドルの立ち位置や差別化が特に難しかったことだろうと思う。
さて、メインとなったイヴ以外にプロデューサーが目論んだように新しい風は吹いたのだろうか。
私としてはこれまで以上に弾けた高森藍子の姿が度々見られたことが最大の「新しい風」であったように思う。
公開された「WINTER and WINDOW」MV 2Dリッチを観ていただいただけでもそれがよく伝わるのではないかと。

なるほどなるほど。
高森藍子役の金子有希さんがXにてポストしていたのはこういうことだったのか。

確かに今までにないほどのパッション藍子でしたね。

チャリティーLIVEと聞くとイヴよりはクラリスさん向きのシナリオだったように感じるが、彼女にはまだボイスが実装されていない以上仕方ない。
逆にクラリスさんがユニット参加する時のシナリオが楽しみですね?(クラリスさん推し過激派)
総選挙、クリスマス、イヴ・サンタクロースという三本柱で構成されていた『WINTER and WINDOW』、さぞや産みの苦しみがあったものだとお察しする。
我々ユーザーは大口を開けてそれを待って受けて咀嚼して消化して感想を述べる立場だが、実に贅沢な味わいでした。
とても美味しゅうございました。
……ところでブリッツェンっていつまでシルエットのままなんですかね?鳴き声にボイスがあってもよくないですか?
もはや主要キャラではありませんか?
デレステ運営さん、来年のクリスマスプレゼントに欲しいな~(チラッチラッ)。

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