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『Come to you』で小日向美穂が果たした役割。

ソーシャルゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(以下『デレステ』)の期間限定イベントであるLIVE Carnival『Come to you』が終了した。
イベント楽曲は同名の『Come to you』で、直訳すると「あなたのところへ」
かつてのアタポンイベント楽曲である『Near to you』が直訳すると「あなたのそばへ」だったことを考えると距離がやや遠のいた気がしないでもないが、開催予定のユニットツアーである『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS UNIT LIVE TOUR ConnecTrip!』に準じたもので、公式としては我々ほど意識していないだろうし無粋なツッコミか。

『Come to you』の歌唱メンバーは渋谷凛本田未央、そして小日向美穂の3人。
LIVE Carnivalにしてはやけに少人数だが、『全開!ミラクルアドベンチャー!』のように今回もGRAND LIVE対応楽曲になっていない。
そこに関しては昨今のコストカット云々の問題と結び付けるのは穿ち過ぎというものだ。
なぜ3人なのかというと、ユニットツアーの参加ユニットの最大人数が3人だからそれに合わせたのだろう。
「なんでニュージェネの卯月の代わりに美穂なんだよ!」と一部の短絡的な連中が騒いでいたが、なんということはない、卯月が今回のツアーに参加していないだけのことである。

小日向美穂は島村卯月の代わりに選ばれた。

その点に関してはまずそうだろう。
運営としては今回のイベント、引いてはユニットツアーをニュージェネレーションズでやりたかったのかもしれないが、島村卯月の代打としての候補は、彼女のニュージェネレーションズと並ぶトリオユニットの代名詞であるピンクチェックスクールの小日向美穂か五十嵐響子のどちらかだったに違いない。
響子ではなく美穂に白羽の矢が立ったのは、中の人のスケジュールの都合どうこうではなく、ユニットツアーに参加しているのがピンチェの3人の中で美穂だけだったからと考えるのが自然だ。
小日向美穂は今回のユニットツアーこそ藤原肇との『フェアリーテイル*マイテイル』というデュオユニットでの参加であるが、前述のピンクチェックスクールしかり、神崎蘭子、海老原菜帆との熊本県人会ユニットである『漆黒ノ華』や、デレステでのカバー曲歌唱実績もある神谷奈緒、日野茜との『ユモレスク・ユニティ』などなどトリオユニット経験も豊富であり、資格としては十分だ。

今回のイベントの核となる内容は駅伝だった。
マラソンではなく駅伝。
なるほどお正月の風物詩……ではなく、タスキをつないで日本全国を巡るユニットツアーになぞらえたものだろう。
いや、ないこともないかもしれないが。
凛がイベントコミュのエンディングで語っていたように「ユニットツアーの願掛け」という側面がやはり強かろう。
楽曲自体に参加するサポートメンバーがいない代わりに、『ススメ ! シンデレラロード』のコミュのようにボイスなしアイドルがわんさか登場して盛り上げてくれたのは私としては嬉しかった。
スポーツイベントであったがゆえに体力自慢メンバーにスポットライトが当たったのもちょうど開催中の『Fit Boxing 2』とのキャンペーンとのシンクロ具合が面白かったり。
おそらく偶然だったのだろうが。

駅伝をただただスポーツライクな駅伝だけに留めず、他の事務所との競い合いの色合いを濃くしたのは正解だった。
八百長を持ちかけてきたのが「血気盛んなアイドル」なのは疑問だったが。
血気盛んなら正面から喧嘩売ってくるのが普通では?
「狡猾なアイドル」とかにすればよかったのにねえ。
ラストで夕焼けの河原で殴り合った後のような爽やか展開があっただけに余計に釈然としなかった。
アイドルたちはそれぞれ駅伝とこれまでのアイドル活動をダブらせ、
凛は「ヒリヒリドキドキの虜」と言い、
未央は「最高にアイドルしてる」と言い、
美穂は「ぶつかり合うみたいに歌うのも楽しくて好きになった」と言った。
美穂の発言は北条加蓮、佐藤心とのぶつかり合いが印象的だった『躍るFLAGSHIP』でのことを想起させる。
奇しくもあちらもユニット名こそないがトリオユニットだった。

駅伝の結果は346プロダクションチームがめでたく優勝する。
出来レースと言うなかれ、優勝しなければユニットツアーの宣伝ができないのだから当然の結果です。
大事なのは、小日向美穂が第一走者だったということだ。
それも自ら志願しての。
凛や未央の後を受けての走りではなく、彼女こそがユニットツアーの口火を切ったのだ。
まさに最善の選択だった。
そうでなくてはならなかった。
そうしなくては、その上で優勝しなくては美穂が卯月の代わりに出場した意味がないのだ。

小日向美穂は誰よりも自分の役割を弁えていた。


残念ながら震災の影響でユニットツアーの開幕を飾るはずだった石川公演は延期になってしまったが、そのことがあってもなくても私はこう言っただろう。
「『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS UNIT LIVE TOUR ConnecTrip!』のスタートダッシュを決めたのは小日向美穂だった」と。
ライブツアーはきっと大盛況、大好評をもって終わるに違いない。
そこに小日向美穂の多大なる貢献があったことはいつまでも語り継いでいきたいものだ。

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