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大沼くるみと性善説と性悪説。

大沼くるみをどうしても見捨てられない。
私は彼女の登場以来過去全ての『シンデレラガール総選挙』において大沼くるみに票を投じてきた。
その結果はこうして現在もボイスが付いていないことからも残念ながらお察しの通りだ。

くるみには2020年7月13日から三度に渡って追い風が吹いた。
そう、キッコーマン豆乳との公式コラボ企画である。

第1弾。
第2弾。

セクシーの権化・松本沙理奈とともにキャンペーンガールを務め、大きな話題となったものの、総選挙の結果には活かしきれなかった。
ブルーナポレオンのボイスなしアイドル最後の一人である松本沙理奈も『Stage for Cinderella』でも大健闘したもののボイスを獲得するには至らず、ともに高い壁の前に涙を呑んだ。
「キッコーマン豆乳ブーストでも届かなかったか」、と私は落胆した。
そして総選挙開催告知の度に「今回はくるみにはもう……」と思ったものだ。
だが、現に今でもこうして彼女への投票を続けている。
デレステの余命から言って次の『Stage for Cinderella』があるかどうかは甚だ怪しいところだが、あるのであればきっとまた私はくるみに票を投じることだろう。
大沼くるみにはそれだけの魅力があるのだ。
少なくともこの私にとっては。

ところであまりにも唐突で恐縮なのだが、皆様は「性善説」「性悪説」をご存知だろうか。
中高生時代に道徳の授業などで耳にした記憶のある方が多いのではないか。
とんでもなくざっくりと説明すると、孟子「人間は生まれながらに善なるものである」と唱えたのが「性善説」で、荀子がその逆に「人間は生まれながらに悪なるものである」と唱えたのが「性悪説」だ。
「読んで字の如くじゃないか」と思われるかもしれないが、字面通りなのはそこまで。
そのことが実は多くの勘違いを生み、そのまま定着してしまっている。
特に性悪説の方。
「人間は生まれつき悪だから悪い子としちゃうのはしょうがないよねー」
ではない。
「人間は生まれつき本性が悪だからこそめっちゃ努力して真人間になりましょうね」
というのが本質。
性善説の方も「人間は生まれつき善だけど努力を続けないとキープできないしどうせならがんばってもっともっと善になろうぜ!」ってな具合。
結局は「生まれがどうあれ、一所懸命に生きて高みを目指そう」的な考え方に着地する。

なぜこんな話を持ち出したのか。
私は大沼くるみというアイドルにこの性善説と性悪説のエッセンスのハイブリッドな生き様を見出しているからである。
大沼くるみの性格は実に素直で純真だ。
まっすぐで、穏やかで、清らかで、人の話をよく聞く。
一方で、彼女は大きな悩みを2つ抱えている。
ひとつは年齢にそぐわぬ恵体を持つが故に特に同級生男子などからのからかいを受けていること。
もうひとつはお世辞にも頭が良いとは言えないこと。
この2つは大沼くるみの人生においてアイドルになる以前からのコンプレックスとなっていた。

恵体の方はアイドルになってすぐに昇華された。
プライベートなどではまだまだ奇異の目に晒されることがあるだろうが、それはアイドルとしては非常に大きな武器だ。
コンプレックス転じて武器と為す。
くるみ自身もようやく自らの体型を受け入れることができた。

が。
おつむの方はそう一朝一夕にはいかない。
前述した豆乳も毎日愛飲してはいるが、生憎と即効性のある特効薬ではないからだ。
彼女は喋り方だってたどたどしい。
「くるみは頭がよくないから」
自分でも最初の頃はよくそう言って自虐していたものだ。
学校などで心ない言葉を浴びせられた経験などは数え切れないだろう。
でも。
くるみは折れなかった。
そこで止まらなかった。
「バカだからバカなことをしても仕方がない。バカのままでいい」
とは決してならなかった。
頭が良くないことを自覚し、恥じ、それを払拭しようと前へと進んだ。
自分の足と意志で。
当然周囲の助けはあったが、決意して実行したのは他ならぬ彼女自身だ。

シンデレラガールズのアイドルには努力家しかいない。
努力家であることがセールスポイントになっているアイドルすらいるぐらいだ。
「努力嫌い」と嘯いている子だって、きちんと裏では努力している。
それが当たり前の世界でなお、大沼くるみの努力する姿勢は一目置かれている。
なにしろ彼女はあの財前時子桐生つかさにも認められた存在なのだから。

財前時子とくるみは『ネクストニューカマー』としての同期デビュー組だ(もう一人は二宮飛鳥)。
当初は「脳に行く栄養が胸に行ってる奴は絶滅すればいい」などと目の敵にされていたものだが、『トライアングル・ドミネイション』(財前時子&新田美波&大沼くるみ)時においては「チッ…やればできるのは知っているわ」との認識に変わっており、その後は『フェアステージ』(財前時子&五十嵐響子&及川雫&桐生つかさ&大沼くるみ)でも共演している。

躾ける前に自立しました。

そして『デレぽ』ではこんな報告も。

恵体ジュニアアイドルコンビ。

認めた相手にはお優しい時子様でした。

もうひとり、桐生つかさとの本格的な共演は2015年7月31日からの『アイドルプロデュース おいでよ!海の家』。
前述したくるみの恵体をアイドルとしての大きな「武器」と認識するように誘導し、泳げるようになったくるみに対して「自分超えられるヤツって強いわ」とコメント。
その後の『留美のフェアレディレッスン』でも「くるみの努力、アタシは認めてる。だから前向いて胸張ってろ」と相変わらず高く評価し、それを直接言葉にして伝えている。

ダブルミーニング?

そうして『フェアステージ』ではこのふたりとくるみが揃って並び立つことになる。

大沼くるみは性格が良く、若くしてプロポーションが抜群だ。
だが同時に成績は良くなく、引っ込み思案だ。
美点と劣等感。
光と陰。

それらがなんとも絶妙にブレンドされた人物像こそ、大沼くるみという女の子だ。
されどくるみは己の欠点を誰よりも自覚し、克服しようとしている。
くるみは強い。
知識としてではなく、本能レベルで性善説と性悪説の両方の本質を吸収して内包し、咀嚼し、自力で実践している。
そのプロフィール以上に、大沼くるみは稀有な存在だ。

ああ。
嗚呼。

やっぱり私は大沼くるみから離れることなんてできはしない。


再認識した。

くるみ!
これからも全力で君を応援し続けるよ!
だからこれからもいっしょに高みを目指し続けよう!

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