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縦抱き?横抱き?産院でも教えてくれないあかちゃんの能力と発達。そこから見える横抱きの重大な事実。

長いしむずかしいところもあるので、太字部分など気になるところだけ飛ばし読みしても大丈夫!

あなたの好みはどちらですか?


現在日本で活躍している ”だっこおんぶの専門家” という方たちは、基本的に欧米からの情報を学んでいます。(各養成校によって、知識技術の分野的過不足はあります)

ここでいう、だっことおんぶの専門家とは、あくまでも、「関連専門からの経験論」や「独自の方法論」ではなく、ある一定の文化内で広く共通認識として通用する、NICU(新生児集中治療室)や発達の療育にも使用可能な根拠に基づいた理論をベースに、実技や道具の知識までを学んだ人たちのこと

そのため、欧米の文化と日本の文化の違いを目の当たりにすることも多いのですが、日本はディベートを多くする傾向、欧米では基本的にディスカッションをする傾向があると伺いました。

それは例えばどういうことか、首すわり前の縦抱っこ横抱っこについてみてみると…。

ディベート → 縦抱き VS 横抱き

ディスカッション → 縦抱きの事実、横抱きの事実、双方またはそれ以外の可能性も含め多方面から検討。矛盾点をつぶし可能性を議論。

という感じです。

そしてもうひとつ、日本の情報は研究者も受け取り側も闇雲に数値を重要視しすぎるきらいがあるのでは、ということでした。研究の先の目的や意義、やはりここでも多角的な視点。というのが欠けがちな気がするということも聞きました。

どっちがいい悪いではなくて、私はこれは生き方の好みのような気がします。日本でも欧米に多い考え方をする人もいるし、その反対もきっとあると思います。

\\あなたは、どっちが好みですか?//

A、 Yes or No や数値で統計的な答え(一部の人には当てはまらないが目安になる)を知れる方がスッキリして好きですか?

それとも、、

B、 あらゆる角度での事実や可能性を知り、都度自分の状況に合わせてフレキシブルに考えたいですか?


だっこの情報を探すときの目安。


先ほどの答えで、、

A、が好みだったかたは、情報源が「ベビーウェアリング専門家」(それ以外の専門家の場合は、その専門分野でのみの視点であることが多い)であり、一つの道具を強く推していないことを目安にすると比較的安全です。
B、のほうがあっている方は、上記を参考にしながら、学術的かつ多角的な見解がされているか(独断と偏見ではないか?経験論や感想だけで成り立ってないか?自分の専門分野でのみ論を述べていないか?違う意見について検討しているか?矛盾点はないか?)を大切にしてみてください。

※このコラムでは、主にBの方に向けた記事のカタチになっていますが、Aの方でもタイトルや太字だけ読んでもある程度推測できるようにトライしています。


生後4か月までのあかちゃんにとっての横抱き


実は、あかちゃんの発達と抱っこの関係をきちんとお話しするには、医療従事者であっても、ちょっと難しいことが入ってくるところもあります。解剖学・発達心理学・社会学・動物行動学と、本当に多岐に渡るので、自分の専門の場所でなければ、深い理解までには時間と経験を要します。

ここでは、できるだけ表面的なことを中心にしてやさしく説明していきます。

4か月までのあかちゃんの発達の特徴

・「首すわり前」=首の筋肉だけでは、頭を動かすことができない。
「寝返り前(反動での寝返りは除く)」=回旋(からだをねじる)運動が未発達。自分の脚を重力に反して持ち上げることが困難。
・「脳梁が未完成」=左脳と右脳がつながっておらず、右のものを左手で取ったり、左のものを右手でとったりができない。好奇心にも関連する。


これを踏まえて、、

横抱きについて、\大切なポイント3つ/  をお話しします。


1,呼吸が不安定な新生児期こそ「まんまる」過ぎや圧迫は窒息死につながる。

単刀直入にお伝えすると、

新生児期(特に生後1か月くらいまで)のスリングの横抱きで、窒息事故が何件も起こっています。

電車でスリングの中でわが子を亡くしてしまったお母さんもいらっしゃいます。どれほどつらかったか、子どもを持つ親ならば、想像もつかないことがわかるでしょう。落下だけでなく、このリスクは絶対に避けなければなりません。

もちろん、横抱き=窒息の危険ではなく、スリング=危険でもありません。

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つくりが大きいスリングの中に埋もれている状態
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あかちゃんが丸まりすぎてあかちゃんの顎と胸が近づきすぎている状態
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以上のふたつの条件下でリスクが高まります。
生後すぐのあかちゃんは、呼吸がまだ得意ではなく、安定していません。

おなかの中ではまんまるだったから、生後しばらくはまんまる。という記事もみますが、少し安直です。あかちゃんの酸素の取り入れ方は肺呼吸に移行していますし、まるみをつくっているのは股関節の状態の影響なので、上半身までまんまるなイメージはさけてください。

また、スリングの中での横抱きではあかちゃん自身が自分のからだをとても動かしづらい状態になります。

なぜ横抱きだと動かしづらいのか、あかちゃんが自分自身のからだをコントロールする力や方法、発達については後日書きます。

※理論上、縦抱きでも ”密着していないゆるい装着で丸まりすぎ” の場合には近いリスクはあるはずですが、スリングの中に埋もれるような見えない状態はないためか、手で修正しやすいためか、窒息事故例はまだ耳にしていません。


抱っこ紐の死亡事故は落下より窒息の方が目立ちます。
窒息についての事故例はこれらの記事がわかりやすいものでした。


2,あかちゃん自身の能力を制限する


生後すぐのあかちゃんが自分で這う力や自分自身の体重を手で支える力があることはあまり知られていません。

動物行動学というのがまだそれほど活発ではない日本では、未だあかちゃんを「二次的就巣性⋆」という知識のままで止まっている医療従事者や保育者がたくさんいるので、あかちゃん自身の能力について、特に胎児期から生後3か月くらいまで、広まっていないことがたくさんあります。

⋆就巣性というのは、生まれた時にはいろいろな機能が未発達で未熟、巣に残って親を待つという性質ですが、人間はそれに近いとされていました。現在、霊長類の生物学的分類は「授抱性」とされていて、それも、アクティブ(積極的)な授抱性とされ、様々な積極的な関わりや能力が研究によって認められてきています。


授抱性についてはまた後日お話ししますが、人間のあかちゃんは、生後すぐから、積極的に「抱かれようとする力」「抱きつく力」が数々備わっています。

そのうえ、新生児でも、ある一定の状況では自分自身のからだをコントロールできる力もあります。

横抱きではその「一定の状況」にならないので、自分の体を自分で動かせない=快適な姿勢をとれない(呼吸ができなくても動けない。)ということになります。

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生後4か月以降というのは、スリングの中に横抱きされても、自分の意思とチカラで動くことができるようになってくる目安です。

それまでのスリングの横抱きというのは、本来あるあかちゃんの運動や学習、発達を阻害する可能性や、窒息してしまう可能性を残していると言えます。(頻度や時間、抱き方によって変わります)


3,あかちゃんの骨は未完成。抱っこの仕方で障碍を残すことも。


もうひとつ、どんなあかちゃんにも全員避けてほしいことがあります。

ここ数年でかなり有名になってきた「M字開脚」
それって、どうして大切にされるか知っていますか?

これもまた話すと長いので詳細は割愛しますが、あかちゃんの股関節を守るため。というのが目的です。

あかちゃんの股関節は発達途上。まだ骨化もしてないんです。
股関節の骨化が始まるのは生後4か月頃からといわれていて、歩き始めて少し経つくらいまでは、まだまだとっても繊細。

生活習慣や環境で「脱臼」がおこり、最悪、骨の一部が「壊死」してしまうんです。

いろいろな因子が重なって起こるものなので、一概に「だっこがこうだったから」と決めつけることはできませんが、小児整形外科学会も警鐘を鳴らしているレベルだということは知っておいてください。

同じコンサルタント仲間が書いている記事がわかりやすかったのでシェア。

また、医療センターが動画も出しているので、ぜひ見てみてください。

※現在は、先天性ではなく「発達性股関節形成不全」と言い換えられることが多くなりました。

発生確率が少ないように思うかもしれませんが、あくまでも「わかっている範囲」でのこと。そして実は現在わかるドクターがすくなくなり、健診でも見落とされることが少なくありません。(欧米の国々では健診で画像診断をするそうですが日本は触診や見た目の判断で終わることが多いので気づけない)

軽い症状では、発見が思春期や大人になってからわかるものも少なくない障碍のひとつ。通常ある骨がない、、などから、一定以上のスポーツができなかったり、筋肉が衰えてきたときにひどく痛みが出たりして人生に支障を生じます。

あかちゃんの間にわかったとしても、その修復方法は親子ともにかなりストレスのかかるものなので、環境にはしっかり気を付けてあげてください。

横抱きというのは、性質上どうしても片方の股関節を押し付けた形になりやすく、因子がある(あるかどうか検査するまでわからない)あかちゃんにとってはリスクが大きい環境といえます。


首すわり前に縦抱きをしたことによる障碍は報告されていない。


3つのあかちゃんへの影響をみてきましたが、、どんなふうに感じられましたか?

横抱きに関わる事柄を冷静に事実としてとらえて、それからどうするのか?

縦抱きにする、という以外にも、例えば、気を付けることに全部気を付けて横で抱く。を選択するもひとつ。横抱きの時間を減らす。のもひとつ。

他にもいろいろと選択肢はあると思います。

ここでは横抱きのメリットは出しませんでしたが、横抱きが必要な状況やあかちゃんもいます。どっちがいいかではなく、それがどんなことを起こすのか?だけ知っていればいいのだと思います。

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最後に。あかちゃんの首が据わってないうちは横抱きをしなければならない理由。があるのか?というと、

医学的に証明されたものは何もなく、今のところ、考え方の一つでしかありません。

重い頭が乗っているのだからそれは大変、とおっしゃる方もいて、肩こりするなどおっしゃる方もいますが、関連性は証明されていません

特に、そういった話の中で見逃されていると感じるのは、

あかちゃんは抱っこされている
=完全にひとりでまっすぐ立っているわけではない。

ということ。

これについて、明日また縦抱きの事実、ともに説明したいと思います。


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この記事を書いたのは♪ 家族の幸せ分析家♪「木村まゆ」

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ひとりひとりに、その人が、その家族が、ぴったりくる想いと幸せがある♪
どんな些細な願いも、どれほど大きな苦手も、全部しあわせのモト☆

家族ができるとき、そのスタート、そして、家族の歩みを一緒に応援したいと思ってます♪

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