『ノー・ライト』感想 新野守広
地点を見始めたのは、2003年11月の『三人姉妹』からだった。春風舎の舞台には多数の古着やシーツが吊るされ、その前に椅子や机などの古道具が置かれていた。古道具に座る三人の女たち。彼女たちの背後から現れて、床に身を投げ出したり、バスタブから這い出したりする男たち……。どこかSCOTの『三人姉妹』を彷彿させながらも、意外な所で台詞を切ったり、通常のアクセントの位置をずらしたりして台詞を語る俳優たちの人工的な発声は、すべてを形式の遊戯に作り直し、内面から解放された身体を試そうとする