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「似顔絵」じゃなくて「雰囲気寄せ絵」を描く理由

『ひとりひとり顔も身体も違うけれど、この世に生きる物として深いところで繋がっているんだよ。』ということを表したいがために、みんなどことなく似ているように描いている。
そして、その人の持つ雰囲気をプラスする。
似顔絵じゃなく、雰囲気寄せ絵。


そもそも雰囲気寄せ絵という言葉があるのか。
「雰囲気をその人に寄せる」+「絵」=「雰囲気寄せ絵」
という造語。私が勝手につかっているのだけれど、『あなたより先に言い出したのは自分だ!』という人が居たら教えて欲しい。
寄せ絵自体は昔から絵画であるのだがそれとはまた別で、あちらは果物や人体を寄せ集めて一つの顔にしたりするもの。こちらは雰囲気をその人に寄せて行く絵で、パーツを色々集める絵ではない、というとなんとなく分かるでしょうか?


似顔絵としてそっくりそのまま描いたら、自分の好きじゃない部分もそのまま描かれてしまう。似顔絵だから、当たり前でしょう?と思うかもしれないけれど、人によってはそれが辛い場合もある。
私もそうだった。写真にさえ写りたくなかった過去の自分(今も写真は苦手なんだけど)、リアルな特徴をつかんだ似顔絵を描かれた時はかなりショックだった。「どうせ私なんて」が先行してひねくれ、可愛い人と見比べてため息。その絵は深く深く収納したのだけど、どこ行ったのかしら。

あの時、私の持つ空気感やしぐさ、雰囲気、そんな目に見えるもの以外を表現した絵であったなら。
残酷にも一重でくせ毛でうまく笑えないコンプレックスの部分をリアルに抜き取った絵でなければ。


どうぞと手渡された絵を見て和むことができたのかな。


だからいま、私は雰囲気を寄せて描いている。

昔の私みたいな、自信が持てない人にも自分の素敵なところに気づいて欲しい、可愛い部分、しぐさを知って欲しい。
もちろん、自身たっぷりだったり自分が大好きな方も描かせてください!
どんな場合も、その人の持つ素敵な部分はなにも顔だけじゃない。特に会話を進めていくうちに分かる、心の隙間にあるその人の“好き”な部分。
私はそこをツンツンしてその人に気づいてもらうのが好きで、オーダー頂いた際にはヒアリングを大切にしている。

例えば好きな色はピンクと言っていても、お話を聞いていくとベビーピンクだったり、舞台映えのする濃いめのピンクだったり。自分でも表現できない微妙なところを「こんな感じ?」「あんな感じ?」とコミュニケーションを通じてフィットさせていく。
そうそう、これ!と敵中した時のワクワクする感じはとても幸せそうで、こちらまで嬉しくなる。


そして、その絵が日常の中でふと目に入った時。フフフ♡と笑ってもらえたら。
とても繊細な“こだわり”や“好きな気持ち”に気づいてもらえたら。

私は幸せでたまらない。

絵が描けるって幸せだなと1日の終わりに思うわけです。



こちらがオーダー頂いたLINEスタンプ。
↓ ↓ ↓ ↓
全て雰囲気寄せ絵で描いています。
皆さまのお話をきいて出来上がった大切なものばかり。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


あなたの今日の幸せはなんですか?
私は…


夜ご飯を「あぁおいしいな」と食べられたこと。


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