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ファッションヤンキー!

私の人生のパートナーはカミさんだ。もう親よりも永く一緒に暮らしている。私とカミさんは高校の同級生だった。今から半世紀前、いい女は俗に言うヤンキー系に層が厚かった。従って、いい女をゲットするにはこちらもヤンキー系になって同じ土俵に乗ることが必須条件だった。故に世の中に何の不満も無い私は見せかけだけのファッションヤンキーとなった。しかし、そのカバーはリスクを伴う。否が応でも本物のヤンキーと対峙しなければならない。身長があり、少林寺拳法をやっていた私は見た目はそれなりだったが、気弱で喧嘩は真っ平御免。そこで私のとった作戦は、「思いっきり目立つヤンキーになる」ことだった。ぺったんこにしたバッグに赤テープ(喧嘩上等の意思表示)、さりげなく拳法を嗜んでいることを示唆するグッズで装飾していた。髪型はパーマリーゼントで寸分の隙なく決めていた。私の目論見通り中途半端なヤンキー達は私に挑んできませんでしたが、稀に本物が挑んできます。強そうに見える私に挑んできたと言うことは腕に自信がある証。その時私のとった態度は「すいません」と真摯に謝ることでした(笑)。
私が通っていた高校はとりあえず進学校で、校内にヤンキーっぽい女子は散見されたが、男子は極少数だったので地区予選は不戦勝。見た目エッヂが立っていた私はかなりモテた……ってか人生のうち唯一のモテキ(笑)だった。そして、校内で一番目立っていた女子への挑戦権を得た。それが今のカミさんだ。とは言っても中身は気弱なシャイボーイの私は腰が引けていて、付き合うことには成功したがその関係は長続きしなかった。そして、高校を卒業してお互い別の道を進むことになった。
その後紆余曲折があり、20代後半クラス会で再会して付き合いが再開するという、よくあるパターンで結婚にまで至った。そして解ったことは、カミさんも見た目は派手だったがファションヤンキーだったってこと。同じ穴の狢同士だった。カミさんが超真面目だったと言うことは私にとっては最高で、家事は完璧で無意味に出歩くこともなく家を守ってくれている。独身時代あれだけファッションにお金をつぎ込んでいたのに、今では毎日ほぼ同じ服を着まわしている。なので家計は毎年好決算、マンションのローンも繰上げ返済で完済した。お互いファッションヤンキーだったという偶然が縁で結ばれた夫婦だけど「唯一無二」。人生が二度あるとしても、カミさんを探し出して結婚したい。その時はお互いその時代に迎合した、どんなArmorで身を固めているのだろうか(笑)。

#私のパートナー #ヤンキー

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