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思ってたのと違う

昨日、大好きだった元彼と飲みに行った。

振られて3年空白の時間があったけれど、私の留学をきっかけに数ヶ月に一回に会うようになった。飲みに行くのは昨日が2回目。

一番初めは言いたいことを言わなくてはいけない、という気持ちから連絡をした。初めて人を本気で好きになった時期に大学受験が重なって、心がどんどん壊れてそのせいで振られて3年も引きずった。

言いたいことは色々あった。

まずは、謝りたい。とにかく謝ることができればもう二度と会えなくても良い!というのが3年間引きずった末の結論だったけれど、いざ会ってみると緊張してしまい、2回目に会ったとき勇気を絞りに絞ってやっと「昔のことさ、色々ごめんね」とだけ言えた。もっと一つ一つ謝りたかったのになあと思った。

謝ることができればよかっただけなのに、会ってみるとやっぱり好きで、今度は「昔すごく好きだった」「振られて死ぬかと思った」と笑って言えたらいいなと思うようになった。多分、ちょっとくらい元カノって意識してよって思っていたからだと思う。自分の人生においてすごく大切な存在で、だからこそまた付き合って別れて関係が切れてしまうのだけは避けたい、そんなことになるくらいなら一生何でも言い合える友達でいたい。口ではそんなことを言ってるしどこかでは本心に違いないけれど、それでも好きだから恋愛関係でいたいって気持ちは、やっぱりある。

前に飲みに行った時は酔っ払ってやっと「昔すごく好きだった人に振られて死んじゃおうかと思ったことがある」とだけ言えた。だから昨日はもっと酔っ払って「あなたのことが好きだった」と言わなければいけないと思った。だからどんどん飲んだ。どんどん飲んで、結局言えた。

「誰かと付き合うって結局妥協なんすかね?理想をちょっと妥協するのと、好きな気持ちを妥協するのと」

「正直な話をするとさ、めちゃくちゃ好きだったからさ、あなたのことを引きずってしまって辛くて精神的にすごく危なくなっちゃったんだよね。ご飯は食べられないし、泣き続けてさ。何とかしなきゃいけないと思って、好きじゃない人と頑張って付き合っちゃって、でも好きになれなくて、振って、泣かれて。それがトラウマみたいになってて、やっぱり本当に好きな人とじゃないと付き合っちゃだめで、好きな気持ちは妥協しちゃだめだって私は思ってるけどな」

強がってもう吹っ切れてるけどねみたいな顔をした。言えたけど、こんな言い方じゃなくて、もっと、

考え方が合うし、抱えている悩みが似ているから分かり合える。彼は私以上に色んなことを考えているから、分かり合えているように錯覚させてくれているだけなのかもしれないけど。言いたいことを言い切れない私にとっては1を言って10理解してくれる彼は一緒にいて居心地が良い存在で、恋愛感情さえなければ良い友達になれるのだろうなと思う。帰る直前、彼は「何でも理解してくれる人っていないと思っていたけど、ここにいたんすね」と言っていた。

私は一生友達って存在に自分からなりに行ってしまった。きっと、望んでいた友達の形はこれだ。でも、友達なんて本当は望んでなかったってこと、そうなってからしか気づくことができなかった。3年引きずってたこと、今の彼が昔以上に好きだってこと、もう言えなくしちゃったのかもしれない。この理想の関係を壊してまでそんなことを言う勇気もないんだけど。


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