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Adoちゃんのヤバさを簡単に説明したい

 どうもべっちょです。



■これが俺がAdoちゃんにハマったきっかけの歌

まあ、「踊」ですよね。

○踊(「狂言」収録)

ここから入った人はかなり多いと思う。
・ファルセットのHiFからLowD(だと思う)に瞬時にスラーで下がる(相対音感すら怪しくなってきてる耳を許してくれ)テク。
・リズムの取り方が王道にして独特(これはこの後も出てくる)。この曲は爪先でリズムを取るのではなく踵でリズムを取るタイプだと思う(これ、弦楽器とピアノをやってる人ならわかるはず)。HR/HM好きは割とスッと聴ける後ノリ。
・この曲はメタル畑から入った人には凄くオススメ。ザック・ワイルドのギター特有の「音幅が広く荒いヴィブラート」の波形を声で表現しているレベルのところがある。これがヤバい。


■その後に聴いてみて「やっぱりヤベェわこの子」ってなった歌

○レディメイド(「狂言」収録)

・ホーンに合わせた歌い方に合わせている。
「ドスの効いた声」と俺が表現している力強い低音がホーンと上手く対比している。尚且つそれが汚く聞こえない。
・Adoちゃんに対して凄いなと思うところは、前ノリ・ジャスト・後ノリと、どのタイミングでも合わせられるところなんだけど、この曲はジャストでスウィングしている。先にも述べたリズムの取り方は、この曲では爪先だと思う。
・数カ所のしゃくりが良いアクセントになっていることで存在感と説得力が増している。
・どの波形のヴィブラートも行けるんだろうけど、多分「気分」で使い分けている。癖が付いていないから出来る。ビッグバンドジャズ的な曲に合わせるのであればそれが大きな武器になる。


■「脱帽」以外の言葉が浮かばない曲

○唱(シングル)

・今までの技法を全て集約した上でハイテンポ(BPM116ぐらいなんだけど、詰め込まれている情報が多い)+「雅」というPの注文に全力で応えた絶作。
・普段ならヴィブラートで伸ばす所をあえてストレートで伸ばすし、音程変化が少ないヴィブラートも使うし、スラーの音幅が今までになく広い。
・最初の10秒で出オチになってるかと思いきや、そこから変幻自在の展開が凄い。
・恐らく一カ所のスラーで最低音域から地声の最高音域まで使っている。ここまで来るとレンジの鬼。
・しかも最初の方ではファルセットの最高音以上(つまり、声帯を通り越しているブレス)まで無理矢理スラーで押し上げている。どういうことなの…
・全音符から符点16分音符という滅多に使わない(まあヴォーカルパートなら全音符は使うけど)ところまで網羅している(バッキングは卓で作っているはずなので音符の長さは気にしていないと思うけど)。
・Pは作曲面では全体的に雅楽(雅楽器のイメージは筝と。これは洒落なんだろうか…これが洒落ならかなりのセンス)+三味線をイメージしている上に、多分…ビヨンセ辺りかな…?アメリカの女性R&Bシンガー的なパート(0:50あたり)もあれば、中田ヤスタカ的なコーラス回しも存分に活用して「Ado」を最大限に引き立てている。
・R&Bの箇所以外は前ノリなのでステップでリズム取ってるはず。
・全力で曲を作って全力で歌った結果、マグネシウムレベルの化学反応が起きた。初めて聴いたときは本当に腰が抜けた。


■当然他にもあるんだけど、とりあえずこんなところ。

○「ウタの歌」について

このアルバムについては制作サイドから注文が多かったんだと思う。東映、そういうとこやぞ!
抑制された中での精一杯って感じかなって思う。
ただ、「私は最強」と「逆光」に関してはその中でも出色なので是非聴いて欲しい。


■どこから聴けばいいのか問題

○ここまで声のバリエーションが広いと、どうしても好き嫌いが分かれる

その上で、大人として「中庸的な所から聴いた方がいいよ」と言うつまらないアドバイスをするのであれば「うっせぇわ」が試金石なのかなと思うんだけど、音楽ジャンキーとしては「唱」から聴いて欲しい。新しく曲を発掘している時に中庸を求める必要がどこにあるんだよ。
何にしても極振りして、そこから調節して適解を見つけるのが良いと思うので。
ただ、「レディメイド」は大野雄二好きならハマると思う。

まあ、こないだ言った(多分3日前辺り。あれストック原稿だから公開した日はそれほど重要じゃないし覚えてない)通り「食わず嫌いせずに聴くのが良いよ」というのが俺の信条だけど、押し付けも良くないのでご自由にという感じ。
ただ、中村美律子が好きな方なら嫌いではないと思う。


■おわりに

この記事、紅白を見て度肝を抜かれた中高年に対する羅針盤として書いている所もあるんだけど、割と自己分析の面もあるなぁと思った。
何しろ数年前に肺サルコイドーシスで気管支に少しだけ良性の肉芽腫が付いて以来(とっくに自然消滅はしたんだけど、声帯に影響が出てしまった)、聴く方が増えて歌う機会が減ったので…その前なら唱も歌えたのに…悔しい…

まあ、そんな感じです(オチに困った)。

ではまた。

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