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【ありがとう】の魔力

「おつかれさまでした」

あなたはよくこの一言を、職場で使っていないだろうか。
私は、よく使っていた。

ただ、ある時から何となく、職場での仕事終わりの一言を、

「今日も一日、ありがとうございました。」

と、変えた。
そうすると、相手からも、

「いえいえ、こちらこそどうもありがとうございました。明日もよろしくお願いします。」

と、返ってくるから、

「いえいえ、こちらこそ、明日もよろしくお願いします。」

と、挨拶をする。ほっこりした気持ちで、その日の業務が終えられる。

そもそも「ありがとう」というのは、漢字で書くと「有難う」となる。
つまり、「有ることが難しい」という意味である。
「有ることが難しい」。つまりは、「稀である」という意味で本来は使われていたそうだ。
「稀に存在することに感謝する」と、考えると当たり前に日常で使っているこのあいさつ、何気にすごい言葉だと言える。

【感謝を表現する】というのは、心理学的にも色々と検証がされている。日ごろから感謝している人のほうが、そうでない人に比べて、幸福度は高いらしい。

「ありがとう」というのは、ものすごいパワフル・ワードなのだ。

「おつかれさま」の代わりに「ありがとう」と感謝を述べてその日の業務を締めるようになってから、「ああ~有難いな……」という気持ちで仕事を終えることができるようになった。
そして、相手からも「ありがとうございます」と返してもらえると、素直に気持ちいい。

「おつかれさま」という言葉は、本来は使用する相手を選ぶ言葉だった。
例えば、学生が教師に向かって、「先生、おつかれさまでした。」というのを想像してみてほしい。何か、変な感じがしないだろうか。

辞書で、意味を確認してみると、

仕事を終わった人や仕事に打ち込んでいる人にその労をねぎらっていう語。また、共同作業をした人たちが互いにその労をねぎらっていう語。挨拶のことばとして使う。 『明鏡国語辞典 第二版』大修館書店

となっていた。
「ねぎらう」という言葉が、説明に用いられている。
「ねぎらう」というのも、「部下が上司をねぎらう。」というように、目下の人から目上の人に使うと、ちょっと違和感を感じる。
そう考えると、「おつかれさまでした」は、人間関係の上下を意図せず臭わせてしまう言葉なのかもしれない。

また「疲れ」という言葉は、どちらかというとネガティブな印象の言葉である。一方で、「ありがとう」に、ネガティブな印象は、全くない。

言葉が人を作る、と聞いたことがある。
実際に、「ありがとう」を一日の締めのあいさつで用いるようになって、気持ちよくその日の業務を終える頻度が増えたように感じている。
人に感謝が伝えられることも、人から感謝を伝えてもらえることも、非常に有難い。

そして、ここまで記事を読んで下さったあなたにも、感謝を届けたい。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

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