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より良いスタートアップ・エコシステムを求めて

PolitechスタートアップPoliPoliが、今月新たにスタートした有識者機能で、「ジェンダー」「ベンチャー」の領域の有識者として登録されることになった。

PoliPoliは、「政治家に直接意見を届けられる」政治プラットフォームだ。ファウンダーの伊藤くんは、年齢も近くイベントで一緒に登壇した経験もあるため、個人的にもすごく応援している起業家の一人である。

これまで、スタートアップ業界のジェンダーギャップの是正に向けて、ここCOMEMOでの発信を行ったり、イベントに登壇したり、ファンドとしてD&Iを軸にしたオフィスアワーの実行やあたらしい投資方針の実行などに精力的に取り組んできた。(無論まだまだ発展途上である。)これらの活動はこれまで通り全力で続けつつ、今後は「政策提言」という新しい方向からジェンダーギャップの解消に向けて動けることがとても楽しみである。

提言に先駆けて

これまで個人やファンドとしてこのトピックに取り組む中で、改善に寄与できそうな問題もあれば、活用できるリソースの限界を感じる課題もあったことから、政策提言をしてみたい課題はすぐに複数思い浮かんでいた。が、①より広く課題を掴みたいということ、②課題の優先順位を立てること、の2つを大きな目的として、まずは身の回りの女性の起業家の方々からヒアリングを実施した。

----------💡💡💡お願い💡💡💡----------

政策提言は継続的に行っていく予定です。そのため、ヒアリングも引き続き行っていきたいと考えています。女性の起業家の方やFounding teamの中で、「起業した際にこんなことに困った/戸惑った」「こんな嫌な思いをした」ということがある方は、いつでも遠慮なく私までDMいただけると嬉しいです。「些細なことかも」とか「私だけかも」と思い、遠慮がちに切り出される方も多いですが、誰か一人でもそんな思いをしたことがあるなら再発の可能性があるので防がれるべきだと感がていますし、「私だけかも」というエピソードは悲しいかな同じような思いをしたことがある人が他にもいるケースが非常に多いです。これから起業する人が同じ経験をせずに済むようにするためにも、是非声を聞かせてください!

----------🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️お願い終わり🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️----------

もともと別件で一緒に政策提言をしようと話していた友人のつるたま氏(鶴田七瀬氏)と、ヒアリングを含め一緒に動こうという話になり、5月末時点で20名ほどにインタビューを実施した。

ちなみにつるたま氏は、「性教育の最初の1歩をふみ出す」を掲げて、日常に性教育を取り入れるトイレットペーパー/カードゲーム/ボードゲームなどの商品を作っている一般社団法人ソウレッジの代表で、とても尊敬できる良き友人の一人である。「つよくてやさしい」を体現するような素晴らしい人間だ。

ヒアリングでわかってきたこと

一言で言えば、あがってきた課題は想像以上に根深かったほか、私のステータス(シス女性で、未婚・子どもや養う対象なし)からすれば想像できなかったようなものもやまとあった。ヒアリングに参加いただいた皆さんにはここで改めてお礼を伝えたい。

もちろん今回すくい上げられた課題は氷山の一角に過ぎず、これからさらに広く、そして深く探っていく必要があるが、現状大きく分けると、①ライフイベントに関わること、②登記手続き等の業務的なプロセスにかかわること、③セクハラ、④ロールモデルやコミュニティの不在に関わることなどが多かった。必ず、一つ一つ丁寧に解決するぞと心から、つよく、思っている。

ライフイベントに関わることでは、例えば結婚や妊娠・出産についての悩み(これらの優先順位を明確に下げるよう指示されているという人も結構いて、自分が男性だったらそんな事言われなかったのに、と悔しい経験を吐露する様子に心がとても傷んだ)や、そもそも出産後の保活問題などが次々に上がってきた。これまでこの問題に直面した人は、このもやもやをどうやって乗り越えたんだろうか、あるいは乗り越えられなかった人もいるんだろうと思うと、悲しい気持ちになった。②〜④についても細かくコメントしたいところだが、今回は長さの都合上割愛する。(それぞれの課題につき1〜2本note書けそうだ。)

色々な解決の仕方があるのは前提で、①〜③は提言を含めたトップダウンの解決/対処法も探っていけそうだと思っている。④については、あたらしいニュースレターのような形でロールモデルとなっていくような人のVisibilityのための発信(詳細は詰めているところなのでまた別途...)をしたいと思っていたりする。また、コミュニティも作りたい。(重い腰をそろそろあげなければ...!)Representation mattersだ。

こちらの記事は、女性の起業家にフォーカスしている。私の観測範囲だけでも、さまざまな領域で起業し、自ら道なき道を切り開く女性は増えていると思う。本当に素晴らしいことである!

しかし「女性起業家の台頭が目立ってきた」という冒頭の一文とは裏腹に、「女性起業家のビジネス進出ランキング(2020)」(マスターカード発表)では、日本は58カ国・地域中47位と奮わないほか、2019年の44位から順位を下げているのが現状だ。ヒアリングの結果を踏まえても、起業とライフイベントの兼ね合いや、起業後も事業と関係のないところでさまざまな困難や理不尽があり、それらは男女非対称(実態は二分法ではないが)に降りかかっているのが現実である。解決されるべき問題は多く、またそれらへのアプローチも単純ではないが、解決に向けて幅広い人々と手を組みながら動いていきたい。

わたしたちの#metoo前夜

そしてセクハラについて。今回のヒアリングで一番衝撃だったのは、想像以上にセクハラが横行していることだった。(皆、色々思うところがあり打ち明けてこなかったようだったし、私が彼女らの立場でもそうしてしまう気がする。)一人や二人どころの騒ぎではないのだ。一人だったとしても見逃せない事態であることは言うに及ばない。

体型やセクシャリティ等への言及から、ここに書くのもおぞましいような"誘い"まで挙げればキリがないことに虫酸が走る。何を考えてそんなことをしているのかまったく理解できないが、立場の非対称性につけこんで、もし告発されても名誉毀損で声を封じればいいとでも思っていたのだろうか、、。語ることはおろか、思い出すだけで辛くなるような経験を経てきた彼女ら(彼ら)がの、押し込めた怒りと悲しみを思うと、これは次の世代に絶対に引き継いではいけないと強く感じる。

そしてそれと同時に、これらが明るみに出る日もそう遠くはないのではないか、とも思う。数年前に比べても、少しずつ女性の起業家は増え、活躍しロールモデルとなる人も次々に登場している中で、おぼろげだった「連帯」は一歩ずつ強まっていくだろう。そうするとどこかで誰かの#metoo を皮切りに、victimではなくサバイバーとして語りを紡ぐ人たちがあらわれて、地殻変動が起こる日が、そう遠くない日にくるのではないだろうか。根拠はないのだけれど、そんな気がしている。

終わりに

こういう話をすると、「みんなが起業したいと思っているわけじゃない」とか「主婦のことバカにしてそう」とか、「女性はそもそも上昇志向がないから起業とか向いてない」とか言ってくる人がいるのだが、私のアクションがそういうふうに受け取られてしまうという土壌自体が、女性の起業家をサポートするアクションが取られなければいけない何よりの証拠になると思う。

もちろん私だって、「この世の女性全員起業すべし!それ以外の選択肢はくだらない!」とか全く思ってないし(思うはずもない...)、誰もが、自分の属性等によって社会から無意識に押し付けられている規範にとらわれず、在りたい姿を自由に模索し選び取れる社会にしたいと思っている。(あまりにベーシックなことだが、言い続けていくことが大事だろう。)でも、現状はそれを阻むさまざまな障壁があるから、それらを丁寧に解消していくことに努めたいというのが私の願いだ。

そして最後に、文中にも書いたが、女性で起業する人が不要な困難に直面することを少しでも減らしていくため、引き続き色々なアプローチを取っていくつもりだ。こんなことで困っている/困った/嫌な思いをした等あれば、いつでも遠慮なく連絡してほしい。

----------💡💡💡【再掲】お願い💡💡💡----------

政策提言は継続的に行っていく予定です。そのため、ヒアリングも引き続き行っていきたいと考えています。女性の起業家の方やFounding teamの中で、「起業した際にこんなことに困った/戸惑った」「こんな嫌な思いをした」ということがある方は、いつでも遠慮なく私までDMいただけると嬉しいです。「些細なことかも」とか「私だけかも」と思い、遠慮がちに切り出される方も多いですが、誰か一人でもそんな思いをしたことがあるなら再発の可能性があるので防がれるべきだと感がていますし、「私だけかも」というエピソードは悲しいかな同じような思いをしたことがある人が他にもいるケースが非常に多いです。これから起業する人が同じ経験をせずに済むようにするためにも、是非声を聞かせてください!

----------🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️お願い終わり🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️----------


ワーイありがとうございます!