『八哥鳥』
木々の間に暗く潜む黒い鳥
どこへ飛んでゆくのかこの鳥は
誰もが忘れてしまうこの鳥は
ありふれた恋などさようならと
手を振れば貴方は勿論振り返らない
誰にも目立たないこの鳥は
たまに鳴き声が聞こえることはある
けれど姿なんて見つけられない
見つかるところに居やしない
ありふれた鳥など忘れてくれと
違う木へと住処を変えても気にされず
誰にも目立たないこの鳥は
たまに鳴き声が聞こえて来たなら
鳥は陰から見詰めているんだ
見つかる所じゃ切なくなるから
木々の合間を黒く飛び移る影
どこへ飛んで行ったんだこの鳥は
誰もが知るつもりのないこの鳥は
今日も穏やかな公園の止まり木で
ありふれた恋の白霞に耐える
フワリフワリ
バサリバサリ
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