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享受会コラム#32「比べる」byゴロー

みなさん、みうらじゅん好きですか?
みうらじゅん、よく知らない人は、ちょっと調べてみて。日本を代表する漫画家であり、思想家です☺

僕が好きなみうらじゅんの言葉の一つに「比較三原則」ってのがあります。
もちろん「非核三原則」をもじったものです。
人はのびのびと楽しく生きていくためには、比べてはいけないものが3つある。すなわち、自分の過去と、他人と、親と比較してはいけないという原則です。

日常の中で、けっこうありませんか?
うまくいっていないとき、過去の自分や、周りの人と比較して、さらに落ち込んじゃうこと。

この4月、17年間暮らした富良野から、生まれ故郷である静岡県富士市に物理的に移動しました。
どこに暮らそうとも、望む未来や、それに向けてやるべきことは変わらない、と考えていますが、どうしても、富良野ではこうだったとか、富良野ではああだったとか、比べちゃうんですよね。

比べるってことは、優劣をつけるということで、どちらかを優とすれば、どちらから劣になってしまう。
優の方はいいとしても、劣の方は面白くないに決まっている。
というか、優の方にも課題はあるわけで。
なので、「比べない」っていうことをテーマにやっています。
(くしくも、静岡県知事が、公務員と一次産業従事者を「比べる」発言をし、辞任するまでに至りました。今月、いきなり知事選ですよ。)

そんな日々の一コマです。

ずっと使っている腕時計をふと見ると、針が止まっているじゃないですか。
「はて」
どこで電池交換しようか。
富士の友人に聞いてみたら「Jというホームセンターでやってくれる」とのことだったので、早速行ってみたら「申し訳ありません、こちらでは電池交換サービスはやっておりません」と。
「はて」
困ったなと思い、家族に聞いてみると「Eというホームセンターでやってくれる」と言うので行ってみたら「お預かりとなりまして、2週間ほどかかります」と。
「はて」
2週間も腕時計がないのは困るので、「えっと、違う店舗でしたら、すぐにやってくれるのでしょうか?」と聞いてみたら、「いいえ、今は電池交換できるスタッフがおりませんので、どの店舗でも一度お預かりして、センターへ送る形での対応になります」とのこと。
「はて」

結局、宝石店みたいなところをようやく見つけて、そこで交換してもらいました。
聞くところによると、今は、ソーラー電池で動く腕時計も多く、電池交換そのものがニーズが減ってきているらしい。

腕時計の電池交換という1つの例ですが、これって少し怖い話だなと思いました。
いま、仕事がどんどん簡略化されて、AIや自動化が進んでいて、外国人労働者も入ってきて、日本人本来が持つ「技術」や「奉仕する心」、つまり「働く」ということの重みや誇りがどんどん軽くなっている気がして。

富良野だったらすぐに交換してくれるところあるんだけどな~、と、思わず「比べ」てしまったのでした。

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