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そこに競馬があるから。〜岩川隆「競馬ひとり旅」を読んだ。

ちょっと前からつまみ読みしていた本を読み終えました。

■岩川 隆「競馬ひとり旅」

1988年発行

旅打ち本です。
岩川隆さんの競馬本は、以前、別の本でも読書感想記事を書きました。


本書「競馬ひとり旅」は、タイトルそのまま、岩川さんが日本各地の競馬場に赴き、馬券はもちろん、当地の馬や人との交流を綴っています。

閉場となってしまった地方競馬場も多く登場します。
今や訪問はできない競馬場の雰囲気を知ることもできます。


ほぼ日本国内の競馬の話が中心のこの本ですが、最後の方に、月末に迫った、ジャパンカップの第一回(1981年)に関する章があります。

記念すべき第一回の開催へ尽力したJRAのプロジェクトチームの奮闘ぶりや、様々な苦労について、JRAの北原義孝さん(当時、JRAの業務部企画課長)へのインタビューを元にした章で、興味深かったです。

岩川さんは、海外競馬への夢をこのように書いています。

 生きているうちにかなうだろうか。私の夢はいつの日にか、朝日夕日に照らされてソビエトからインド、フランス、イギリス、スコットランドと放浪し、さらには海を渡ってアメリカまで、「競馬行脚」を続けることである。

226pより引用。

そんな「海外旅打ち」への夢を抱く岩川さんですが、北原さんの話を聞いているうちに、こんな気持ちになります。

 (日本に)居ながらにして世界の名馬を見ることができる、走りっぷりや表情を眼の前にすることができるというのは、私どもファンにとっても嬉しくありがたいことだ。日本の馬がどこまで通用するか、ということについても興味津々である。

255pより引用。

私も、いち競馬ファンとしてまったく同じ気持ちです。

海外の競馬もいつかいろいろ見て回りたいですが、海外の強い馬たちが日本にやってきて、日本の馬たちと戦うのを見られるジャパンカップには毎年ワクワクします。

・・が、多くの競馬ファンはご存知の通り、近年は日本競馬のガラパゴス化が進んでしまったのか、あるいは今年第42回を迎えるジャパンカップも、近年は日本の馬が勝ち続けており日本馬のレベルが高くなり過ぎてしまったのか、外国からの参戦状況がかなり寂しいものになっています。

今年は、10月にパリで行われた世界的な大レース・凱旋門賞の勝ち馬であるアルピニスタというイギリスの馬が出走する可能性がある状況ですが、予断を許さない・・。(というか、こういうときって、あまり期待しない方がいい・・。)

思わず、Twitterでもこんなふうにつぶやいた・・😅


アルピニスタ号。
5歳牝馬で、競馬ファン界隈で「かわいい。。」とざわざわ。

たしかにかわいい。
隣はMark Prescott調教師。

馬名のアルピニスタ(Alpinista)は、イタリア語で「登山家」の意味だそう。

登山家の山を登るモチベーションといえばそう、「そこに山があるから」。

アルピニスタには、ぜひ、「そこに競馬があるから」精神で、日本にも遠征してきて欲しい!


今年は海外からの超一流馬と日本馬の激突を見ることができるか、やはり、期待してしまいますね、、


<最後に>
第一回ジャパンカップ開催までの顛末が詳しく書かれた本「ミスター・ジャパンカップと呼ばれた男」も面白いです。以下は、以前書いた読書感想記事です。


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