見出し画像

【Colum Vol.6】"体験"のすゝめ

押忍。こんにちは。皆さんに2つ質問がある

「なんでもいいから缶コーヒー買ってきて!」と上司に頼まれた場面。
真っ先に思い浮かんだ缶コーヒーはどの缶コーヒーだろうか?
25階のオフィスフロアで昼下がりの仕事中。猛烈な眠気が襲ってきている。あなたにはいつも眠気覚まし用として買う缶コーヒーがあるとしよう。同フロア内の自販機に買いに行ったがそのお気に入りのコーヒーが売り切れていた。代わりに普段はあまり飲まない別の缶コーヒーは売れ残っている。しかし、このオフィスのエントランスのコンビニ(1階)には確実にお気に入りの缶コーヒーが売ってある。1階に行くにはエレベーターで一度乗り換える必要があり少し面倒だ。この状況でどちらの缶コーヒーを買うだろうか。

それぞれの答えを少々頭の片隅に置きながらこのnoteを読んでほしい。後程答え合わせをしよう。

まず初めに!

久しぶりの更新となるが、最近は何をやっているのかというと、専らインスタグラムでの情報発信に注力している。内容は日経新聞の朝刊・夕刊の解説で、ここ1か月半毎日欠かさず日経新聞で個人的に気になった記事をピックアップし、記事の要約に自論を加え発信している。共有した記事数は350を超えた。「わかりやすい!」「知らなかった!」「勉強になる!」とメッセージをいただく機会も以前より格段に増えてきていることは本当にうれしい。(@aizawa_blogぜひフォローしてくれると嬉しい。)
1か月半発信し続けて最もよかったことは、「自分で考え、自分の答えをだす習慣がついたこと」だ。私は自分の考えを持つ、ことが本当に苦手で、すぐ答えを求めてしまう性格だった。もちろんその性格がすべて変わったわけではないが、今と発信前を比べると「自身で考える」ことが圧倒的に増えた。世の中のあらゆるモノの見る視点も変わり、より多面的に物事をとらえる癖がついている。発信する、ということは責任が伴う。だからこそ自分の考えを持つことが重要になる。2020年も残りわずか。本当に些細なことでも何でもいい。発信し続けよう。日常の意識レベルが少し異なっている感覚に気が付くはずだ。

そんな日経記事の発信を毎日続けていると「○○が△△億円増益」「××が□□億円減益」など企業の情報にも必然的に触れる機会が多くなる。その中でこのコロナ環境下で世の中に受け入れられている企業の特徴が見えてきたので自分なりの考察をしていく。

見えてきた一つの特徴

私の結論は、“体験を売りにしている”ということだ。直近のニュースの中で私がそれを感じたのは、缶コーヒーで有名なダイドードリンコ(以下ダイドー)だ。そのダイドーは2020年10月より、大ヒットアニメ「鬼滅の刃」とのコラボ缶を発売し前年同月比約150%の販売本数を記録しているという。3週間で5000万本突破、1500万本の追加販売も決まっているほどだ。さらに驚愕なのは販売から現時点で公表している売上は2019年1年間に売れた業界全体の1割に到達するとのことだ【出典:日経新聞】。箱買いする猛者もいる。

ここで冒頭の質問内容を思い出して欲しい。

一つ目の質問、「なんでもいいから缶コーヒー買ってきて」という依頼に対し、真っ先に思い浮かんだ缶コーヒーは何だったか?

ほとんどの人が「BOSS(サントリー)」や「ジョージア(ジョージア)」を思い浮かべているはず。ちなみに私はBOSSだった。つまり、日常生活の中でコーヒーを飲みたいと思ったら私たちは真っ先にBOSSやジョージアを買う確率が高いと言える。(ダイドーを真っ先に思い浮かべている人には申し訳ない。)

2つ目の質問、わざわざ1階まで買いに行く人はどの程度いるだろうか。

少なくとも私は、眠気が覚めればいいと思っているので自販機で買うだろう。いつも買っている缶コーヒーは「なんとなく」買っているし、厳密な味の違いもわからない。つまり、コーヒーを飲む理由はコーヒーが飲みたいから飲むのではなく、コーヒーを飲むことによって眠気を覚ましたいからだ。絶対にジョージアじゃなきゃダメ!という人はあまりいないだろう。

今回のダイドーは・・・


ダイドーの缶コーヒーを購入する人は、コーヒーが飲みたくてダイドーの缶コーヒーを買っているのだろうか。上記2つの質問の回答から考察をまえると違った側面が見えてくる。純粋にダイドーのコーヒーが飲みたいから買ったというよりは、鬼滅の刃のコラボグッズを揃える過程の“体験”をするために、缶コーヒーを買っているのだ。中には純粋にダイドーのコーヒーを飲みたいと買う人もいるかもしれないが、であれば例年通りの販売本数になるはずだし、何なら販売本数は減少することが予想される(コロナ外出自粛、テレワーク中心で自販機での販売本数も落ちるため)。つまり、今回のダイドーの販売本数が爆上がりしているこの事象を単なる鬼滅効果と片付けてはいけない。ここには消費者の購買における見逃してはいけない法則がある。

顧客はモノを買っているのではなく買うことで得られる体験を買っている。つまり、コロナ環境下でも業績の良い企業は、モノやサービスを売らずに、体験を売っているのだ。

例えばフィルムカメラで最近流行っている「写ルンです」だ。

画像1

写ルンですを持っている友人に理由を聞いてみると、「レトロな写真を撮れるから」等理由は様々だ。なぜスマホで綺麗な写真を撮れるのに、現像するのに時間もお金もかかる「写ルンです」を買うのだろうか。これは写真を撮りたいからではなく、現像するまでの「うまく撮れているのかわからないドキドキ」や「レトロな写真を撮る」体験を買っている。

自身の身の回りに目を向けてみよう

さて、ここまで世の中に受け入れられている企業の特徴は何か考察してきた。考察した内容が全てではないが、”体験”は重要なキーワードとなっていることは揺るぎない事実であると思う。そして皆にオススメしたいのが、“体験”に少し背伸びをしてでも投資をしてみようということだ。同じコーヒーでもスタバとマクドナルドでは何が違うのだろう?そんな時点で日常生活のあらゆる”体験”をして欲しい。そうすると物事を深く捉え考える力がつくはずだ。

“体験”にこそ価値がある時代が始まっている。

「安い」も良いが、たまには多少高くても体験を買ってみるのも良いかもしれない。

ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?