しましま引き分け、実は人力ですという話
X(旧Twitter)に投稿した「しましま分割引き分け」の棋譜が思いのほかたくさんの人に見てもらえたようです。
「どうやって手順を発見したのか」という疑問がちらほらありました。答えは「人力で考えながら試行錯誤して手順を発見した」です。
今回はしましま分割製作の過程を書きます。
2層に分割する終局図は私が挑戦する以前に解決されていました。ネット上にも複数の制作者による棋譜が残っていました。
私が最初のテーマにしたのは市松模様の分割でした。
これはかなり時間がかかりましたが解決しました。これについてもいろいろありましたが今回は割愛します。この市松模様4分割を完成させたとき、あるオセロプレイヤーから理論上は16分割も可能ではないか、という指摘がありました。そこで次のテーマは16分割市松模様になりました。
この16分割は4分割の構想を流用することで4分割完成の4時間後に解決しました。これについてもいろいろありましたが今回は割愛します。
さて、これで私のなかに「分割引き分けシリーズ」が誕生しました。オセロの盤面を等分割して引き分けにする終局図たちです。そうなると、「しましま分割は作れないか?」という疑問が発生しました。
早速挑戦してみましたが、これが難しい。どうしても最後に縦か斜めが返ってしまいます。
どうすれば最終手で余計なところを返さずに打てるのか?を考え始めました。まず思いついたのは最終手を隅にすることです。
こうすることできれいに終局します。
ところが、次の問題がありました。真ん中あたりを埋めていくと、やはり縦や斜めが返ってしまいます。さて困ったとなりましたが、ここでひらめいたのが真ん中にも同じような構造を作ることでした。
これできれいに埋めることができます。あとは、上下に同じ構造を作ることでしましま分割が実現可能です。さらっと書きましたが、この構想に至るまで数十時間はかかっています。
構想さえ完成してしまえばあとは頑張るのが盤面作成の王道です。構想に沿った形になるように配石を工夫しながら打ち進めていきます。ここの所要時間は3時間くらいでした。こうして、しましま分割の棋譜が誕生しました。
しましま分割の難しさは各部分の最終手が他の部分から独立している必要があることでした。どこを空きマスとして残すのか、空きマスの周辺の配置をどうするのか、を試行錯誤して発見したときはとても嬉しかったです。最後のがんばる部分は技術があれば機械に頼ることができそうですが、人力での試行錯誤もまた盤面作成の楽しみだと思っています。
実は愚直な作り方をしてました、というお話でした。
おわり
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