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ウルトラマラソンとの出会いが、運動音痴だった私の人生を変えたストーリー11:いよいよサハラマラソンのスタート地点へ。

日本にいたら参加は叶わなかったサハラマラソン。2008年当時、日本の普通の企業では、ましてや体育会系といわれる私の勤め先では、サハラマラソン参加に必要な2週間の休暇は、まず許されない状況でした。そんな中で私が参加できたのは、前年からドイツ赴任となり、集合場所のパリに近く、1週間と2日の休暇で参加できるようになったからでした。

それでも、快諾を得ていた現地の(日本人)上司から、直前に「本当に行くの?」 とのプレッシャーを受け、仕事(会社への忠誠)をとるか、生き甲斐を取るかという決断を迫られても参加でもありました。

木曜夜、会社を終えてから、自宅のある南ドイツ・シュツットガルトから新幹線でパリへ。集合時間は深夜。パリのオルリー空港からサハラマラソン参加者のためのチャーター便に乗りこみ、モロッコのサハラ砂漠の玄関、ウィルザザードへ向かいました。

私は日本人枠での参加なので、本来は、他の日本人と一緒に前日にパリ入りし、当日の午前の便で現地入りが原則でした。私はドイツ在住ということから、特別にフランス人と一緒に、現地に向かうチャーター最終便での現地入りを許されたのでした。

深夜にパリを発ったチャーター便は翌朝、モロッコのウィルザザードに到着。そこで結構長い時間待たされたのち、レースのスタート地点に向かうバスに乗り込みました。

バスに乗り込むと、途中で食べるお昼のお弁当(モロッコのパン、チーズやお菓子など)が配られました。そして、事前には公表されなかった、レースコースを記載したルールブックも配られます。

サハラマラソンは、砂漠の中の道なき道を行きます。コース上には、約100mおきにフラッグが立てられているものの、時折襲う砂嵐などで見えなくなることもあり、ルールブックに記載されたコースとコンパスを頼りにルートをたどっていく能力も求められるのです。

さて、レース会場に向かうバスですが、街を出て間もなく、山間部に入ってぐんぐん標高を稼ぎ、予想していなかった山岳地帯の絶景が眼前に広がりました。その圧倒される景色に、携帯電話のシャッターを押しまくりました。

そんな絶景んの山越えを経て砂漠地帯にでて、とてつもなく殺風景な町や村をいくつか過ぎ、スタート地点に到着したのは、出発から8時間を過ぎて、真っ暗になったころでした。

(つづく)

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