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アンティーク時計の選択:自動巻きと手巻き、それぞれの独特な魅力を探る

腕時計には主に、動力源の異なる2つのタイプ、すなわち機械式とクォーツ式が存在します。

しばしば、機械式が高価で上級者向け、一方クォーツ式がより広範囲に受け入れられているという印象がありますが、両者の最大の違いは動力供給の方法です。機械式は、巻き上げたバネの力が解放されて動くのに対し、クォーツ式は電池を動力源としています。

通常、「アンティーク時計」とは「1950年代から60年代に製造された機械式の腕時計」を指すため、ほとんどのアンティーク時計は機械式です。クォーツ式の時計が登場したのは1970年代であり、そのため現時点ではまだアンティークの範疇には含まれません。

機械式時計には「自動巻き」と「手巻き」の2つの種類がありますが、この記事ではこれらの特性と魅力について詳しく説明します。どちらの違いを理解したい方、それぞれの特徴を知りたい方、または比較して選びたい方は、この記事を参照して自動巻きと手巻きの魅力を探求してみてください。

1:自動巻きのメリットとデメリット


機械式時計の「自動巻き」と「手巻き」は、それぞれ特徴と利点、欠点を持つ異なる形式です。アンティーク時計を選ぶ際にどちらが好ましいかは、個々の判断に委ねられ、それぞれの方式の長所と短所を理解していることが重要です。

まず、「自動巻き」の動作原理とその利点、欠点について説明します。

動作原理
自動巻きの仕組みは、着用者の腕の動きに反応して、自動的にゼンマイを巻くローターに依存しています。手巻きのシステムにローターが付け加えられる形なので、通常は手巻きよりも厚みがあります。

このローターは半円形のプレートで、着用者の姿勢の変化によって回転します。腕の動きがローターに伝わり、歯車を介して自動的にゼンマイを巻き上げます。

このため、自動巻きのアンティーク時計を使う場合、自分でゼンマイを巻く必要はありません。時計を腕につけている限り、無意識のうちに動力が供給され続けるのです。

利点
自動巻きの主な利点は次の通りです。

リューズを回さなくても動き続ける
時刻の精度が一定
選択肢が広範囲に渡る
何よりも重要な利点は、ゼンマイの巻き具合を気にする必要がないことです。後で詳しく述べますが、手巻きの時計はゼンマイを自分で巻く必要があります。しかし、自動巻きの場合、時計を腕に着けているだけでゼンマイが自動的に巻き上げられるため、長時間の使用におけるストレスを軽減できます。

また、日常の動きによりゼンマイが一定に巻き上げられる自動巻きの時計は精度が安定しており、多数の機械式腕時計が自動巻きを採用しているため、選択の幅も広がります。

欠点
一方、自動巻きの欠点は以下の通りです。

分厚くて重くなる傾向がある
ムーブメントが見えにくなることがある
修理に掛かる費用が比較的高くなる
手巻きのメカニズムにローターを追加することにより、自動巻き時計は分厚く、重くなる傾向があります。アンティーク時計のコンパクトなサイズ感を好む人にとっては、この厚みは欠点となることでしょう。

また、ローターが存在することで、精巧な歯車の動きが見えにくくなる場合もあります。最新の時計は、透明なケースバックの普及により、ローターが最小化され、歯車が見えにくくなるという問題は少ないですが、製造年が古いアンティーク時計では、見づらいモデルも存在します。

さらに、手巻きのシンプルな構造と比較して、自動巻きはパーツが多く、複雑なため、修理やオーバーホールなどのメンテナンスに必要な費用が割高になるという欠点も考慮する必要があります。

2:手巻きのメリットとデメリット


次に、手巻き時計のメカニズムとその長所と短所について説明します。

仕組み
手巻き時計は自動巻き時計と異なり、ローターがありません。その結果、ゼンマイを巻き上げるには手動でリューズを回す必要があります。

この力は歯車を通じてゼンマイまで伝わり、とてもシンプルな構造を持っています。そのため、その起源は自動巻きよりも古く、多くのアンティーク時計が手巻きである理由もこれに由来します。

手巻き時計を使用する際は、着用前にリューズを回し、時刻を調整する必要があります。これが手間と感じるか、または楽しみと感じるかは、個々の視点に左右されます。

長所
手巻き時計の利点は次のとおりです。

ムーブメントが薄い
修理やメンテナンスが容易
愛着が深まる
自動巻き時計のようにローターが不要なため、ムーブメントは比較的薄く作られています。これにより、機構全体が軽量化されます。シンプルな構造により、修理やメンテナンスの費用も低く抑えることが可能で、これも大きな利点です。

毎日リューズを手で回し、ゼンマイを巻き上げる手間は、一般的な時計よりも多くかかるため、その結果、時計への愛着が深まることもあります。毎日ゼンマイを巻き上げることは、時間の経過とともに深まる愛着を生み出し、手巻きの独特の歯車の音も魅力の一部となります。

短所
手巻き時計の欠点は次のとおりです。

ゼンマイを定期的に巻く必要がある
選択肢が限られる
長所として挙げたゼンマイの巻き上げは、一部の人にとっては短所と感じられるかもしれません。日々、決まった時間にゼンマイを巻き上げることは、アンティーク時計を長持ちさせるための重要なルーティンとなりますが、これを面倒と感じる人もいます。

自動巻き時計は、装着している間は時計が停止することはありませんが、手巻き時計はゼンマイを巻くのを忘れると、装着していても時計が止まってしまいます。また、現代の多くの機械式時計は自動巻きが一般的であるため、手巻きの選択肢は限られるという短所もあります。

さらに、多くの手巻きアンティーク時計を所有してコレクションしている場合、その管理は大変です。毎日、すべてのゼンマイを定時に巻き上げたり、朝がどんなに忙しくてもリューズを回して時刻を調整するなどのメンテナンスが必要になるため、これも不便に感じることがあるでしょう。

3:自動巻きと手巻きのどちらが良いかは自分の好み次第


機械式時計の選択、つまり自動巻きと手巻きのどちらを選ぶかは、本当に個々の感覚に依存する議題であり、絶対的な答えは存在しません。両者は独自の特性と利点、短所を持っています。

アンティーク時計の世界では、手巻きモデルの比率が高く、それに伴う不便さを感じることもあるでしょう。定時に時刻を設定したり、ゼンマイを巻いたりしなければならないなど、自動巻きには見られない特性があります。しかし、アンティーク時計の手巻き愛好者たちは、その手間がかかる点を逆に魅力と捉えています。

手巻き時計のシンプルな設計により、精緻なムーブメントの動きを観察することが可能であり、また、その構造が薄く作られるために洗練された美しさをもつモデルも存在します。一方で、日々の生活でストレスフリーに使用できる点は自動巻きの利点ですが、手巻きにもアンティーク時計特有の魅力があります。

最終的にどちらを選ぶかは、個々の好みと価値観によるものです。手巻きの要求するエンゲージメントを楽しむか、自動巻きの利便性に引き寄せられるか、それは人それぞれです。

アンティーク時計には、自動巻きであるべきだとか、手巻きの方が風情があるといった決まったルールは存在しません。自動巻きでも手巻きでも、自分が心から愛せる時計を選ぶことが、最良の選択と言えるでしょう。

4:まとめ


自動巻きと手巻きの腕時計の特性についての説明が役立ったかどうか確認させてください。

それぞれのタイプは独自の利点と欠点を持っていますが、それらが良い点か悪い点かは、個々の視点に大いに依存します。例えば、自動巻きの厚みがあるデザインは一部の人々にとっては欠点とみなされるかもしれませんが、他の人々にとってはそのスタイルが魅力であると感じられます。また、手巻き時計で毎日ゼンマイを巻く必要があるという手間は、一部の人々にとってはそのプロセスを楽しむ機会として価値があると考えられます。

自動巻きと手巻きはそれぞれ独自の魅力を持っています。ここで紹介した特性を基に、自分にとって最適な選択をしてください。


・最後に…

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