東弁の人権賞

 日本の刑事裁判官って、本当に無罪判決を出すのが嫌いです。それは、性犯罪事案でも一緒です。
 それでも、年に数件無罪判決を出すことがあります。それすら許せない人たちがいます。
 で、彼らが何をしたのか。
 それらの無罪判決を分析し、何が欠けていたから無罪判決が下されたのかを把握します。そして、それが欠けても性犯罪が成立するように、刑法自体の改正を働きかけます。
 具体的には、
① 暴行又は脅迫がなかったが故に無罪になった事案やそれが刑法上の暴行又は脅迫にあたるとの故意がなかったが故に無罪になった事案があったので、暴行又は脅迫がなくても性犯罪が成立するようにする。
② 「被害者」が心神喪失若しくは抗拒不能状態にあったとの故意がなかったが故に無罪になった事案があったので、心神喪失若しくは抗拒不能状態に乗じなくてもなくても性犯罪が成立するようにする。
③ 「被害者」が同意していたとの錯誤があったが故に無罪となった事案があったので、「被害者」が同意していても性犯罪が成立するようにする。
 また、成人男性と13歳以上18歳未満との間で性交すると原則有罪となっていたのですが、両者の交際が真摯なものだと認められた場合、希に無罪判決が下されることがありました。これも許せないと考えた人たちは、性交同意年齢を16歳に引き上げることで、成人男性が女子中学生と真摯な交際をすることを犯罪化しようと、刑法自体の改正を働きかけます。
 その結果、刑法の令和5年改正が成立します。
 これは、冤罪→無罪という流れを立ちきるために、従前犯罪でなかったものを広く犯罪とするものです。その結果、女性の性的自己決定権を大きく制限することになりました。
 そういう刑法改正に貢献した団体に人権賞を与えた東京弁護士会は、女性の性的自己決定権を低く見ているといえるでしょう。

 なお、性犯罪事案で無罪判決が下される場合で一番多いのは、「被害者」の供述の信用性が認められず、性交等の事実が認定されなかった場合です。なので、次は、性交等の事実がなくても不同意性交罪が成立するように刑法改正をするよう働きかけた団体が人権賞を受賞できるかもしれません。

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