日本ではなぜ「容疑者」の作品が回収されるのか。

 日本では、なぜ、「容疑者」の作品が回収されるのでしょうか。

 おそらく、その芸能人が「容疑者」になったことを奇貨として、作品を回収し、その芸能人が所属する事務所に「賠償金」を支払ってもらう方が確実に儲かるからでしょう。

 コンテンツの売れ残りリスク等を計算に入れずに「今後あり得べき利益」を皮算用して所属事務所に叩きつけることができるならば、その方がコンテンツホルダーとしては、お得だったりします。さらに、他の出演者に支払うべき印税分等を控除する前の粗利ベースで損害額を算定できれば、他の出演者に支払うべき印税分等に相当する分、丸儲けになります(他の出演者等の不祥事によって作品を回収した場合であっても、そのような不祥事がなかった場合に支払われるべき印税等を支払う旨の条項を出演契約に入れていれば話は違ってきますが、まあ、ほとんどの場合入っていないでしょう。)。所属事務所としては、他の芸能人も抱えているので、賠償請求を拒んだり、金額交渉したりすることがしにくい構造があります。そんなことするより、その芸能人に求償することにした方が楽ですし。

 あとは、その芸能人の所属事務所の弁済能力だけを気にすればいいということになります。この点、ウルトラの瀧さんは、ソニー・ミュージックアーティスツ所属なので、コンテンツホルダーとしては安心です。

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