ゴールディン先生

 ゴールディン先生の話題のを読んでみました。
 基本的には、米国の大卒女性の行動パターンを、時代に沿って、5つのパターンに分類して上で、なぜ彼女たちがそういう行動をとるに至ったのかを解析した上で、現代においてもなぜ所得の男女間格差が生じているのかを解析したものとなっています。
 結論としていえば、所得水準の高い仕事の中には、若い頃に時間的負荷を高めた方が昇格や時間単価の向上を見込めるもの(貪欲な仕事)があるところ、そういう仕事に就いている女性が、所得水準の高い仕事に就いている男性と結婚し、出産すると、そういう仕事から降りてしまう傾向が高いからというのが、ゴールディン先生の解析です。

 ゴールディン先生自身は、どうすればその状態を解消できるのかについては、これといった回答は持ち合わせていないようです。薬剤師のように、マニュアル化を進めて代替性を高めることができれば、時間負荷が小さくなるので、出産後も仕事を辞めずにすむということは言及されていますが、所得水準の高い仕事のすべてについてそのような代替性の向上が見込めるというような楽観論は述べていません。

 依然として貪欲な仕事に就いている夫婦間に子どもが生まれた場合、

1.夫婦とも時間的負荷を軽減して平等に育児負担をする
2.夫婦のいずれかが時間的負荷を大幅に軽減して育児負担の大半を引き受ける
3.第三者に育児負担の大部分を引き受けてもらう

のいずれかが選択されるのですが、1.を選択した場合、2.を選択した場合よりも世帯収入が相当低くなるため、2.が選択されがちであり、その場合、女性の方が時間的負荷を大幅に軽減するという選択をしがちだと、ゴールディン先生は分析されています。

 正直、解決策としては、貪欲な仕事に就いている女性は、同じく貪欲な仕事に就いている男性とは結婚しないということしかないように見えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?