9/26 火曜日

今週は長年の友人のKとバイトのシフトが3日も被っている。今日も一日たくさん喋った。最近の小学生の将来の夢ランキングの上位に「サラリーマン」があるという話をしてくれた。「それは職業じゃなくて給与形態だよな」と笑った。

学童保育でバイトをしていたときに子どもたちと話すと、皆YouTubeを見るのだと言っていた。YouTuberはたしかに人気の夢らしいのだが、YouTuberとて仕事の幅が広すぎる。ギターのレッスン動画で活動するYouTuberと、HIkakinとでは全然違うことをやっている。一昔前だったら「テレビに出たい」と言っていた子どもたちが、「YouTubeをやりたい」に変わったのだろう。

小学生が大きな夢を描けないのは、テレビを見ないからではないか。我が家では、睡眠時を除いて常時テレビがついていた。朝晩のニュースや夕食後のバラエティ番組と並んで、夕方に放送されるドラマの再放送や、夜の連ドラがよく流れていた。そして、ドラマでキムタクが演じるパイロットはカッコよかったし、福山雅治が演じる物理学者はカッコよかった。それを見てパイロットになりたいと思ったし、学者になりたいと思った。

昭和の時代にはテレビで野球の試合を見るのが一般的だったという。そういう家庭の子どもたちはおそらく、放課後には友達と野球をして遊んでいたのだろうし、野球選手になりたかったのではないだろうか。

現代の子どもたちは、カッコよく誇張された俳優たちを見ることもなければ、友達と一緒にカッコいい選手に熱狂することもないのだろう。雑多なメディアをみんなが見ているというのは、ともすればプロパガンダ的だし、多様性の時代には合わないのかもしれない。しかしテレビの衰退とインターネットの拡大は、夢=幻想を現実に引きずり下ろしてしまい、他方で現実の現実感を薄めて夢のようにしてしまった。大きな夢は消え、給与形態という寒いリアルと、YouTubeという幻想的な現実の場だけが残った。

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