9/22 土曜日

大学生の頃によくライブをさせてもらっていた中目黒にあるクラブ、solfa。当時の店長のカッシーさんが下北沢でマーケットのイベントをやっていて、遊びに行った。美味しいものがいっぱいあったし、(参加こそしなかったけど)素敵なワークショップもたくさんあった。涼しい天気で、心地よかった。

カッシーさんは僕のことを「ビートメーカー」と別の人に紹介してくれて、懐かしい感覚だった。この間、友人とポッドキャストの収録をしている時に、「お前のアイデンティティは<大学院生>でいいのか?」と問われた。「それは困る」と応答したが、しかし実際には<大学院生>にしがみついているかもしれない。特に人文系の大学院生は少ないし、<哲学>を掲げると認知してもらいやすい。大学院に通っているから<哲学科の学生>というラベルを自らに与えることができる。しかし、実際にやっていることはといえば、哲学の文献を読み、学校の授業に出ているだけだ。何を生み出しているのでもないし(その意味では「ビートメーカー」の方が生産者としてのアイデンティティだから良いかもしれない)、何に貢献しているのでもない。僕がやっている程度の勉強ならば、たとえばフリーターでも気合があればできる。

「生産者たれ」というのはあまりにも資本主義的だが、しかし生産することで社会に参画する経路は見出されるかもしれない。つくづく「仕事が欲しい」と言っているが、これは今の僕にとって本質的な欲求で、決して「お金が欲しい」ではないのだ。実はここ1週間くらい、哲学に飽きている。疲れているだけかもしれないが、しかし「仕事が欲しい」が別の欲求:「哲学をしたくない」として表面化したのかもしれない。そうは言いつつ、デリダの本を開くとそれなりに夢中になって読んでいる。このある種の一人遊びとしての哲学の外部に、仕事というものを一つ持っておきたいのかもしれない。

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