日記(2022/07/28-31)
木曜日。昨日『パトニー・スウォープ』見る前に彼女とガストで夕食を食べていて、腕にマスク付けてる人が何かイヤという話になり、彼女が「あの立体感というか、こんもりした感じが特にイヤ」だと言っていて面白かった。うん……腕マスクのどこがイヤかといえばその点に尽きる。散髪に行った。
金曜日。一時間半残業。彼女と超コワすぎFILE-02再見。面白かった記憶あったけど今見ると微妙だった!工藤に覇気がない。鉄塔近くの家というロケーションは良い。あと隣家のおばさんが玄関前に椅子出して煙草吸ってる感じが西部劇っぽくて面白い。おばさんとの「距離感」とか絶妙にそれっぼい。ロングショットの蛇がしょぼすぎる。ガラガラヘビだったら本当に西部になってた。
土曜日。彼女と赤羽。引越先の家を探したいと思って散策を試みたけど10分も外歩くと全ての意欲を蒸発させてしまう暑さ。クーラーガンガン効いてるダイソーとかダイエーを経由しながら何とか歩く。ダイエーはトイレまでの導線とか靴屋の大味な品揃え(?)とかが地方のショッピングセンターのそれでテンション上がった。赤羽は酒場とワゴンセールの街だった。猥雑すぎて合わないかもとお互いの実感を確かめ合ったので早めに帰宅、折坂悠太のフジロック聴きながらアイス。引越先探すのに使ってたGoogleEarthで何となく実家の近辺を見ていると屋根の下から愛犬の後頭部だけがひょっこりしているのがボヤけた画像ではあるが見えて嬉しかった。夜はCorneliusのフジロック見る。
日曜日。渋谷・シネマヴェーラへ。ジョン・フォード特集。朝一番とその次の回の券を買う。一本目『最敬礼』。1929年作なので最初期のトーキー。冒頭、カット繋ぎとか完全にサイレント映画なのに台詞が聞こえるので奇妙に思える。正直に言うと「醜い」という実感をもった。声を当てられたことで映画の何かが侵犯された感じというか。それも次第に慣れていくのだが、この最初の実感は忘れずにおきたいことでもある。見ていくうちに睡魔が。上映時の画質音質ともに良くないことが原因と考えられるが、しかし映画自体もそんなに面白くない…。良かったのは窓際のピアノ演奏シーンかな。女性が演奏するために家に入るが士官学校の青年は玄関まで送って行って家には入らず、壁沿いに歩いて窓際に到達。窓を介して内と外から歌を歌う。そして門の外にいる青年の仲間たちがそれに和する。若者たちが織り成す内と外のレイヤー構造が美しい。
二本目『四人の息子』。フォードのサイレントで今のところ一番良かった。家族が食卓を囲むカットで上から射す光が完全にUFO!何か異常な画面だった!息子戦死の報を聞いた母の悲しみを照らす窓からの光は誰が見てもレンブラントでとにかく光の演出の過剰さ!僕はかなり好きなほう。四人のうち三人を亡くした母がかつて皆で囲んだ食卓でその過去を幻視するシーンなんかも良い。二重露光で死者を写すというその表現の「型」が大好き。典型だからこそ泣ける。ああ、こういうベタな表現で、昔飼ってた犬や死んだおばあちゃんが目の前に現れたら…とか思うと目頭が熱くなる。そのもの自体が幻影に過ぎない映画においてこういった幻影表現をやるということ自体に切なさ、感傷がある。これまでに挙げた印象的な場面もそうだし出征する息子たちの顔に母の手の影が射す場面もそうだが、宗教的な何かを感じさせる瞬間のある映画に、最近は特に惹かれるものがある。光や儀式的な身振り、ある仕草の「誠実さ」の強調、そういった要素は「聖」を感じさせうる。
帰宅してストローブ=ユイレ『雲から抵抗へ』第一部見る。その後、中村佳穂のフジロック。彼女と電話。二週間前からちいかわが無理になったらしい。その後、ハナレグミのフジロック。今日はミントアイス三本食べたし野菜のパックジュースも色んな味で三本飲んだ。
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