日記(2022/06/25)

是枝裕和『ベイビー・ブローカー』感想。是枝裕和はスーパーやコンビニをよく撮っているが、店内BGMが流れていないことが個人的に気になる。韓国の事情は知らないけど、少なくとも日本のスーパーにおいてBGMが流れていないということはありえないとさえ言える。この前テレビでやってた『万引き家族』を何となく見ていても思った。「自然さ」が演出される是枝作品において、意図的か非意図的か分からないが、店内BGMが鳴らないということは不自然に思える。スーパーマーケットで鳴ってるフュージョンが好きだからできれば映画でもその雰囲気を味わいたいという思いが些かもないわけではないが、しかし日常生活に即した、それぞれの場所固有の音をあえて削除している。内容に関しては全体的に冗長さが目立つのと、ペ・ドゥナが上司の刑事コンビが交わす母親の責任論みたいなのが空疎に写る。

渋谷TSUTAYA行ってVHS返す。ジョン・フォードのDVD4本借りる。まず『騎兵隊』。南北戦争もの。ヒロインのコンスタンス・タワーズ、この人『裸のキッス』のスキンヘッドの人なのかという驚き。終盤、大砲の音が契機となって反射的にジョン・ウェインに抱きつく瞬間が素晴らしい。これぞクロースアップという決まり具合。『静かなる男』の風は『騎兵隊』において砲弾となる。このキスしてしまう、抱擁してしまう、というのが自然の猛威や戦争の爆音といったアクシデントと同列に語られるさまが美しい。

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