【音楽雑記】#26 稲垣潤一と、ここでも作曲家:筒美京平、林哲司(1982年②)
1982年1月に稲垣潤一が「雨のリグレット」でデビューした。
AORテイストの曲に日本語に乗せた楽曲、とても良い曲だと思った。
作曲がオフコースの松尾一彦ということで親近感も沸いた。
既にAOR楽曲を歌う女性シンガーはいたが、本格派の男性シンガーはまだ少なかった。
稲垣潤一の曲は、サウンドも素晴らしかった。大半の曲は井上鑑が編曲していて、参加ミュージシャンも一流どころだった。
(井上鑑は前年に、寺尾聡の「ルビーの指輪」とアルバム「Reflections」の大ヒットで、編曲家という存在を世間に注目させていた。)
稲垣潤一はシンガーに徹して曲づくりは優れた作家に発注されていたため、一つひとつの楽曲クオリティも高かった。
1stアルバムで、杉真理、見岳章、松尾一彦らが参加し、
2nd~3rdアルバムでは、安部恭弘、筒美京平、林哲司、、
といったメンバーが作曲を担当していた。
林哲司は既に竹内まりや「SEPTEMBER」、松原みき「真夜中のドア」を作曲していたが、男性シンガーへの提供としては、稲垣潤一との相性がとてもよかった気がする。その後の提供曲も多く、名曲も多い。
そして、ここでも筒美京平が登場している。稲垣潤一の最初の大ヒットシングル「ドラマティック・レイン」から「エスケイプ」「夏のクラクション」までを作曲、稲垣潤一サウンドの確立に貢献したと思う。
アイドル全盛の時代に”たのきんトリオ”や松本伊代、柏原よしえの楽曲と並行して、本格的なAOR曲を作曲していた幅広さが凄い。
「雨のリグレット」(作曲:松尾一彦) 1982
「夏のクラクション」(作曲:筒美京平)1983
「誰がために・・・」(作曲:林哲司) 1984