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僕が走り始めたきっかけと充足感を得られるマラソンの効用について

自分がランニングを始めようかなと思いたったのは50代も半ばを過ぎた2019年のこと。それからコロナ禍を経て走ることが日常になり、もう5年ぐらい経ちました。コロナ後にマラソン大会が再開してからは年に数回フルマラソンを走るに至っています。

今回は自分が走り始めたきっかけ、そして走ってみて感じる中年期との相性がよさげなマラソンついての個人的な感想などをちょっと書いてみたいと思います。

きっかけは2019年の人間ドックからの駒沢公園。

40代を超えたあたりからジムに通ってバイクやマシンで軽く運動して、サウナ入って、、みたいなことはしていました。ただ運動負荷は軽く、ちょっと走ると息切れするぐらいの体力だったと思います。

そんな中、人間ドックで要検査項目が出たのがこの年2019年の初めでした。
運動習慣はあったとはいえ飲酒や食べ物、カロリーなどをさほど気にしていなかったので、ちょっと見直さないとなと思うきっかけになりました。
それから飲酒を控え、食生活を見直したりしました。(今はもとに戻ってしまいましたが)

そして、その年の初夏に精密検査に行ったのですが、その病院は駒沢公園は横にありました。検査の結果は経過観察。とりあえず当面は深刻な状況に至らない状況ですみました。

その駒沢公園は言わずと知れたランニングコースで有名なところ。病院帰りに散歩がてら立ち寄った際、ここを走ってみるのもいいかなと思い浮かんだのでした。

その次の週末には実際に駒沢公園のランニングコースを走ってみました。1周2.1kmぐらい。何分かかったか忘れましたが、とりあえず、ゆるゆる走ることはできると思いました。

そんな頃、ラジオで「東京マラソンに応募したんですよ、当選したら走ろうと思って」みたいな話題が話されているのを耳にしました。
それで、なんとなく自分もエントリーだけしておこうかなと思いつきました。東京マラソンの倍率が高いことは聞いていたので、どうせ当たらないだろうけど。

東京マラソン当選でスイッチが入った。そして初のハーフマラソン参加。

その後、9月になって東京マラソンの当落通知メールが届きました。期待せずに開けてみたら、なんと「当選しました」の文字。ドキッとしました。当たっちゃった。

これも何かのご縁、お導きと思い、完走に向けて頑張ろうとスイッチが入った瞬間でした。当時はまだコロナ前。2020年夏に開催されるであろう東京オリンピックの年に走れるというのも気分があがりました。

東京マラソン2020年3月まで5ヶ月あまり。それから毎週末10kmほど駒沢公園などで走ることにしました。

駒沢公園のランニングコース

ジョギングをするのは初めてではありません。20代の頃の一時期、30代半ばの一時期にも思い立って週末に5〜10kmぐらい、主にダイエット目的で走っていたこともありました。

ただ、それ以上の距離は未経験。それまでレースに出たこともなかったので、いろいろ調べ始めました。

東京マラソンの前にハーフマラソンぐらいは経験したほうがそさそう、ということで、ちょうどレイトエントリー募集中だった2019年12月の千葉マリンマラソンにエントリーしました。

千葉マリンマラソン

そして迎えた千葉マリンマラソン。結果は2時間20分でした。もちろんこの距離を走るのは初めてです。

それまでのジョギング練習で、10kmぐらいであれば、だいたいキロ6分ぐらいで走れるそうだとは思っていて、予定どおり最初の10kmは1時間でしたが、15kmキロすぎには足が思うように動かなくなり、最後はヨチヨチ走りに。

足をひきづりながら帰路につきましたが、まあ何となくハーフぐらいは走れることはわかりました。

いよいよというところでコロナ拡大。東京マラソン2020一般の部は延期

それからも3月の東京マラソンに向けて1月、2月は100kmぐらい走りました。この頃から駒沢公園以外にも、皇居を走ってみたり、多摩川など川沿いの道などもコースになりました。

GarminのGPSウォッチも購入し、走った実績データをスマホで眺めるのも楽しくなってきます。NIKEのランニングシューズも買いました。

2月にはもう一度、昭和記念公園で行われたハーフマラソンに参加。2時間1分までタイムを縮めることができました。膝が痛くなったりはしたものの、本番はなんとか完走はできるかなというところまで来た感じでした。

そんな中、2020年1月のダイヤモンド・プリンセス号から始まったコロナがじわじわと感染拡大。そして2月に東京マラソンの一般の部は延期とのお知らせメールが届来ました。エントリー料は返金されないが、もう一度エントリー料を払えば翌年2021年の大会に出走可能とのこと。

お金は痛いけどあと1年、練習できるなとも思いました。(ちょっと練習期間が短いかなと感じていたこともあり)

その時は来年まで、いろんな大会に出ながら準備していこう、と思っていましたが、コロナの拡大が続き、2020年から全国のマラソン大会はほぼ中止、延期になってしまったのでした。

図らずも在宅勤務でジョギング習慣が定着。一方で膝のケガも経験。

2020年4月、コロナの拡大は収まらず、会社もリモート対応が始まりました。在宅勤務なんて実際できるのかなと思っていたましたが、やる気になれば出来るもんですね。

在宅勤務が多くなって平日も走り初め月間距離も増えていきました。自宅からいろんなコースで周辺の街を走るのも楽しく、今まで知らなかった神社や公園なども発見できました。

しかし、いきなり距離を伸ばしすぎたのか、6月ごろには膝のあたりが痛くなってきました。今ならよくわかります。ランナー膝、腸脛靭帯炎というやつです。ネットで調べ、サポーターをしたり、休んだりを繰り返すことになりました。

そんな中、2020年10月に東京マラソン事務局より案内が届き、コロナ状況を鑑み、2021年3月の開催もなくなり2021年10月延期に。しかし結局2021年10月の開催もできず、2022年の3月まで延期されることになりした。

2年遅れの東京マラソン。初めての42.195km

図らずも当初の予定から2年遅れで迎えた2022年3月6日。
その頃、世の中はまだコロナ完全収束とは言えない状況。東京マラソン開催には賛否もありました。PCR検査や感染対策をしながらの実施となりました。

初めてのフルマラソン、特に東京マラソンは気持ちを高揚させるお祭り感がありました。マーティーフリードマンのギターに見送られ、都庁前をスタートしました。

東京マラソン2021

初めてのマラソン。まずは完走を目指しゆるゆると走りました。
新宿から市ヶ谷、水道橋を通って上野あたりで10km。1時間ぐらい。
浅草を超えて20kmで2時間10分。まあまあいけそうかなと思ってました。

しかし富岡八幡宮を折り返し25kmぐらいで、足がどんどん重くなってきます。30Kmで3時間半。もはや走ったり歩いたりという感じになっていきました。30kmを超えての状態はこんな感じか、というのがよくわかりました。

結局5時間20分でゴールとなりました。

東京駅前のフィニッシュ

フルを走ってみて、もう少し早く走れるのではと思ってしまった。

初のフルマラソンをなんとか完走はしたものの悔しい気持ちも湧き出てきました。特に感極まって、ということはありませんでしたが、もうちょっと速く走れたんではないかな、、と思いました。

特にレース後半になると、明らかに70代ぐらいのヨボヨボに見えるおじいさんや体重のかなり重そうな方々にも次々に抜かされていきました。
自分はそんなに体力がないのか。あの走りより遅いってことなのか。。

そして自分の場合は、もう一回、フルを走ってみようと思いました。今回は5時間20分だったけど5時間ぐらいは切れるんではないかと。

その後、コロナも徐々に落ち着いてきた中、いろんな大会に出場しました。

2022年10月の横浜マラソンも走りました。それなりに練習をしたつもりでしたが、東京マラソン同様、初めは調子よかったのですが、結局5時間18分。自分の実力はこんなもんだと思い知りました。

そんな感じで始まった趣味のランニング。その楽しみについて

年齢も重ねていくので、これからどんどん速くなっていくとは思ってないですが、目標を決めて、いろいろ情報を仕入れ、フォームや体のケアなどを勉強しながら試行錯誤しながら準備していくというのは楽しいものです。基本、一人で完結するのでストレスもありません。

特に遠くの大会に遠征して、その土地のおいしいものを食べつつ、初めての場所を走って巡るのも刺激的です。

長野で本格的な蕎麦を食べたり、北海道で海鮮を堪能したり、仙台で牛タンを食べたりしました。グルメ目的だけで旅行するのは気が引けますが、日程が決まっているマラソンに行くという目的があるからこそ、成立する楽しみだと思います。

何より走った後、それなりのカロリーを消費している筈なので、思う存分、お酒や食事を楽しんでもまあまあ罪悪感が軽減されること。何より貴重なのはビールも食事もおいしく食べられる幸せです。

50代以上のオッサン世代の多いスポーツ。苦しさと引き換えの充足感。

マラソン大会に参加すればわかりますが、基本的には40代、50代以上のオッサンが多いスポーツです。
以下の2024東京マラソンのデータです。男性が8割ぐらいで、年代別では8割以上が40代以上、半分近くは50代以上のようです。

自分のように健康も考えて走り始めて、レースに出てみたらハマってしまったみたいなパターンは多いのかもしれません。

記録を追い求めるガチのランナーのことは分かりませんが、歳をとってゆるく楽しんでマラソンを走ることの魅力について、自分のことやまわりの観察からの推測を箇条書きしてみました。

  • 体力が向上し健康によいことをしていると思える。

  • 食事がおいしくなる。特にレース後のビールやお風呂が気持ちいい。

  • 目的に向かって走るため、生産性があることをしているように思え、暇つぶしにもなる。

  • 年齢を重ねても、ある程度、練習量が結果に反映され達成感がある。結果を分析したりトレーニングを工夫することが楽しい。

  • 特に大きな大会はお祭り感があって気分が高揚する。

  • 自分の限界を超えるような経験を通じて自分は頑張っている、成長していると思える。

  • 大会で走っていると自分が応援されている気になる。走っていると沿道から「ナイスラン」と褒められるし、SNSで発信するネタができて、あわよくば「いいね」が貰える。

  • 仲間で参加する場合は、コミュニケーションができる共通の話題が生まれて寂しさが軽減される。

40代以降になると多かれ少なかれ「中年の危機」と呼ばれる精神状況になってモノゴトに限界を感じたり、焦燥感を感じたりすることがあるそうです。そんな中でマラソンは苦しさと引き換え自己肯定感や承認欲求の充足感を得られるのかもしれません。

自分の場合は、あまり結果にこだわって根をつめてケガをしては元も子もないと思うので、そんな自己満足感も認識しつつ、ゆるゆると走っていきたいと考えています。

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