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【音楽雑記】#68 Reimy 「夢はおいてませんか?」とREMEDIOS(1991年⑥)

Reimy (麗美)は1984年に松任谷夫妻のプロデュースでデビューしたアーティスト。ユーミン作曲の「青春のリグレット」「残暑」「霧雨で見えない」「ノーサイド」は、もともと麗美のために書き下ろした曲だ。

Reimyが歌うユーミンがつくった曲はReimyに最適化されているようで、その可憐な歌声とともに心に沁みる良い曲が多かった。アルバム3枚をリリース後は松任谷夫妻のもとを離れ、シンガーソングライターとして活動を始めていく。

そんなReimyの曲を再び聴いたのが1991年。この年ファンハウスから「夢はおいてませんか?」というアルバムが、シングル曲として「Everlasting Love」と「傘はおいてませんか?」がリリースされた。

「Everlasting Love」

「Everlasting Love」は、デビュー当時とはビジュアルも曲調も異なるダンサブルな自作曲。この曲のプロモーションでのテレビ露出も多く、音楽番組で歌っているのを何度か観た記憶がある。FM局でもよく流れていたと思う。

デビュー当時に比べて歌い方の変化はあるものの、繊細でキュートな歌声は健在だった。メロディラインはキャッチー。節回しにオリジナリティがあって、バッキングトラックも当時の洋楽に引けを取らない完成度だと思った。

Reimyのほかにも80〜90年代に好きだったアーティストは数多くいるが、概ね、その後はだんたんと聴き返すことが少なくなっていった。しかしReimyについては何故か、ふと思い出しては何度も聴き返すアーティストになった。

「傘はおいてませんか?」

「傘はおいてませんか?」も凝ったコード進行は使っておらず、Aメロ、Bメロ(サビ)のシンプルな構成だが、溢れるメロディラインには起伏があり、歌詞とリンクしてストーリーに情感をもたらせている。
この曲はむしろ最近のほうが、ノスタルジーもあいまって、ぐっと胸に響くようになってきた。Reimyのつくる曲や歌声は感情に直接訴えかけてくる。

ファンハウスからは1990-1992年に3枚のアルバム、映像作品やベストアルバムを残している。しかし、これらの曲が収録された楽曲は配信もされずCDの再発もされていないようだ。

岩井俊二作品におけるREMEDIOS

その後、Reimyは1993年頃からはREMEDIOSとしてドラマ・映画のサウンドトラック、CM音楽などの作曲家としての活動に変わっていった。

1993年、フジテレビの深夜枠のドラマで放送されていた岩井俊二監督作品が気に入り、いくつかの作品を見る中で、とても良い曲があった。
その一つがドラマ「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」の挿入曲「Forever Friends」だ。最初は外国の曲を使っていると思っていた。REMEDIOS=Reimyが歌っている曲ということは後で知った。

また中山美穂主演の1995年の映画「LOVE LETTER」も何度も見た作品だったが、このサウンドトラックも映像とリンクして、とても気に入っていた。こちらも音楽はREMEDIOSだった。ほかにも日立マクセルのCM曲など聴けば思い出すノスタルジックな曲もある。

ネットが普及して、掲示板やmixi、初期的なブログが普及し始めた頃、自分と同じようにReimyが忘れられないファンが多いことがわかった。今ではファンコミュニティも見つけづらくなってきた。

初期の作品はまだCDが手にはいるが、90年代以降の作品は手に入りづらくなっている。自分は2010年頃に、ファンハウス時代のCDやサウンドトラックを改めて購入して曲をiPhoneに入れている。今もReimy (麗美)/REMEDIOSは、唯一無二の歌声をもつフェイバリットアーティストの一人だ。


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