お師匠は86で梯子に昇る、木に登る
ティアさんと話すときはテレパシー
基本、人以外は言語という七面倒くさいものは使わない
欲しいもの、したい事を要求するとき、感覚、感情を僕に投げかけ
心を共鳴させて事柄を伝えるから伝達がマッハだ。
「言葉も覚えてやったぞ」
あら、猫又修行かい?
「その歳で人の♀に相手にされず、寂しかろうから
わらわが相手をしてつかわす」
いとうれし♪
僕たちが居るのは午後3時の庭、仕事が終わりヘッジトリマーと
剪定ばさみの手入れ中
セスキとアルコール、中性洗剤を混ぜた脂落としを吹き付け
樹脂を浮かしている、これを怠ると切れ味が悪くなり切り口が崩れ
樹木の健康に良くない。
僕の植木屋師匠、もともと我が家の庭を見て下さっていた人、
面白そうだと想い植木を教えて下さいと言ったら弟子入りになった。
「あの爺ちゃん」
うん貴女が警戒した、二回り上の同じ干支の、あの人
ティアさんは人見知り、庭で師匠に在って背を逆毛立て耳を烏賊に
今日はカイヅカイブキが12本の家で、ヘッジトリマーで剪定
「やらせてもらえたのか?」
最近は剪定後にダメ出しを貰い修正する感じかな、今日はダメだし無かった
「上達したのじゃな」
まだ、大きな刈込ハサミの使い方は下手だよ
「ダメダメじゃな」
電動のトリマーが使えりゃ良いのさ、早い綺麗、道具を使えるのが人間の取柄さ、あとは剪定ハサミで透かしをやる
「樹木の風通しと陽の分配じゃな」
それをしないと、カビ、ダニ、病気になるからね
僕は脂の浮いたトリマーに流水をかけ 庭の物干しにぶら下げる
バッテリーを外し接点復活剤を吹き付け
剪定ばさみも洗って干す、後でWD40を掛けておこう
「明日は?」
伐採と聞いてる雑木だから 楡、枇杷なんかの硬い木が有るみたい
「腱鞘炎になりそうじゃな」
ん~ とりまプッシュアップしてるのとシルキーズバットを使うから大丈夫だと想うよ
「爺ちゃんも木に登るか?」
うんにゃ、明日は造形が無いから下から指揮をしてもらうさ、3月から修行を始めて、やっと師匠孝行が出来るようになったからね
「繊細さの無い荒事は得意だものな」
力仕事は嫌いじゃないね、その為に筋トレだし
「師匠は佳き人に見える、大事にせぃ 猫なら20歳猫又になるころだろうに、こんなわからんちん弟子に押しかけられ、難儀な」
人は猫又にならず、枯れるだけ、でも植木屋で樹木と接し生命の世話をしてると、師匠みたいにピンシャンして、強いから優しくなれるのさ
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