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    日常の小さな出来事

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あの日

あの日 教室棟の廊下の窓から 甘い香りのした生あたたかい風が吹いてきた それは、もう春になったということだった もう離れなきゃいけないんだと知った あれからもうすぐ一年だ あの時のわたしは、 あの時のあなたは、 今はもういない。 胸の深くに、ずっとある確かなものになって #film #35mm #fujifilm #spring #analog #春 #フィルム #記憶 #富士フイルム

    • 大人になんてなりたくないんだ

      畳の上に寝っ転がって 芝生の上に寝っ転がって 意味もなく手を伸ばして 明日の予定なんてなくて やりたいことを考えて 目を閉じて妄想 空虚の中をワンピースでスキップ 中途半端な心地よさ 空はずっと青がいいし わたしはずっと自由がいいし 大人になんてなりたくない

      • 夜の時間

        夜の時間 駅のホームで電車を待つ。 ただただ待つ。 疲れた目には何も写したくない。 心の中で呪文を唱える。 明日がもっと良くなる呪文。 空虚な時間。 そこには時間が流れているけど 自分の時間は消えゆくだけ 暇つぶし。 そう思えばいい。 そんなわたしに、 缶のコーラとあたたかい寝床と綺麗な服をあげよう。 明日もふわっと生きれるように

        • 一日

          一日 朝、生乾きの髪が太陽の光を浴びて気持ち良さそうにしている。 起き抜けの目には痛いくらいに眩しい、電車内の蛍光灯の白い光は、地上に出ると太陽のやわらかいオレンジ色と混ざり合い、人々の絶望や気怠さや不安を写し出す。また一日が始まるのだと、憶い出すように知る。 明日もそんな朝を迎える。 今夜は満月。 すべての人の闇を、優しく満たしてくれる。

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