働く男


今日は一日、例の動画の話題でSNSは持ちきりだった。星野源、たまったもんじゃねぇよなという気持ちでいっぱいだよ、私は。

今でもたまに、「音楽で世界を変えたい」と言う人がいる。僕は「音楽で世界は変えられない」と思っている。無理だ。音楽にそんな力はない。他の業界に比べて音楽業界は夢見がちな人が多い気がする。スタッフには「元ミュージシャン」とか表舞台に名残がある人も多いから、社会性のない人も多い。そんな人に限って言うのである。「君ら日本を変えられるよ」とかなんとか。
そんなもんは戯れ言である。国を変えるのはいつでも政治だし、政治を変えるのはいつでも金の力だ。そこに音楽は介入できない。できたとしても、X JAPANの楽曲を使って型破りというイメージを定着させた小泉純一郎のように、ただ利用されるだけだ。
でも、音楽でたった一人の人間は変えられるかもしれないと思う。たった一人の人間の心を支えられるかもしれないと思う。
音楽は真ん中に立つ主役ではなく、人間に、人生に添えるものであると思う。人前で歌を歌うようになって、自分の歌で客席で泣いているおじさんを見たときに思った。どうかこの歌があなたの人生の役に立ちますように。僕の歌は応援しかできない。苦しい日々を変えたり、前に進めることができるのは、あなた自身、たった一人しかできないことなのだ。

星野源が「働く男」というエッセイの中で、彼の言葉で話しているのを見つけたのでここに記す。

ちなみにマイヘアの椎木さんも言ってましたね、ライブで。

「お金が貯まる訳でもない、時間が増えたりもしない、肌も綺麗にならない でもただ一つ、ただ一つだけ、心の中を変えることができる」

一人一人の心を変えることで世界を変えることも、私は不可能じゃないって思ってるよ。大きく変わらなくても、少しは変わるんじゃない?って、私は思っています。

[ALEXANDROS]の洋平さんの言葉も最後に。

「僕はよく、ライブのときに「こんな曲な
んか捨てちゃって、自分の人生を楽しんでくだ
さい」ってMCで言ったりするんですけど、唯
ー、メッセージを掲げないバンドである[ALEXANDROS] が社会に、世の中に対して
言うことがあるとしたら、そこかなって思って
ます。自分の人生を主人公として楽しんでほし
いという思いです。」

いろんなスタンスの音楽家達がいるけど、 私のすきな人たちはみんなこう言ってくれているのが嬉しい。ここには私たちに対する愛があるので。

桜、こんなに満開だったのに、もう散っちゃいそうだね

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