見出し画像

ジンの蒸留所が立ち上がるまで

こんにちは BenFiddich店主の鹿山です



報告


北海道を代表するような
ジンが遂に誕生したのだ
鹿山も立ち上げから携わらせて
頂きました。

商品名:火の帆(HONOHO)「KIBOU」
品 目:スピリッツ/ジン
アルコール度数:45%

2020年6月にリリースしたばかりの
北海道のボタニカルを集積した
積丹町にあるジンの蒸留所
【Distillery Shakotan Blue】

(写真は蒸留所オープン前の真冬に訪問時の写真)

第一弾としてリリースした
数量限定のジンは
北海道を代表する針葉樹林である
アカエゾマツの新芽を主体とした
ジンの主原料のジュニパーベリーと合わせる
濃厚な森林浴の香りだ
そこに北海道のボタニカルとして
黒文字、山蝦夷桃、キタコブシの枝葉、蝦夷ミカンの実、ホップをアクセントとして使用

写真右が代表の岩井氏
本業は農林水産業のコンサルタント

写真左が蒸留機を納入して頂いた
マザーバインズ社長の陳氏

蒸留所スタッフの皆様

【Distillery Shakotan Blue】
の積丹町にある
ジンの蒸留所は2020年にオープン

積丹町はここ↓

積丹町はとても小さい町だ
人工は1945人(2020年調べ)
知っている人は観光資源としては
ウニで有名だろう
札幌からもほど近く
札幌→小樽→余市→積丹と続く
然し人工減少が著しく過疎化が進む

鹿山とこの蒸留所との出会いは
今から5年前
2015年の時
代表の岩井氏から相談を受けたことが
きっかけだった


『北海道でジンの蒸留所を立ち上げることを計画している』
『それは過疎化した北海道の積丹町の活性化事業としての一環であり、北海道には様々な
植物、木々がありそれらを活用できないか』


ということだ

今から5年前、2015年時は海外では
クラフトジンブームが沸き起こり
その潮流は日本にも流入が始まった
段階だった。

僕は埼玉県出身だったので北海道の植生は
わからない、ただでも
北海道のボタニカルというのは
大変興味があった

その興味本位から
協力させてもらうことになり
いまの代表の岩井さんと自分との関係がある

2016年以降、代表の岩井さん
岩井さんの下に集う植物探訪家、様々な
業種の方々と共に
北海道積丹町にある植生調査にも
同行させてもらった

(2016年当時の積丹町ボタニカル調査)

その中でいったい何が使えて
何がジンとして活用できるか
試行錯誤を岩井さん達と繰り返した

その中でも私達に大きな可能性を
見出せるものを発見

それはジンとして名乗る為に
暗黙の了解として必要不可欠である

ジュニパーベリー

それを北海道でも収穫できるということ

北海道に自生しているのは
ミヤマビャクシンという
同じジュニパーベリーを収穫できる
ネズの木の仲間

ミヤマビャクシンは
高山の岩場に生える常緑の低木
学名上はJuniperus chinensis

北海道には広く分布しており
積丹町界隈でも崖っぷちに自生をしている

(積丹町の神威岬の崖にも自生をしている)

『北海道にもジンと名乗る為に必要不可欠な
ものを手に入れられるじゃないか』
これが私達の大きな自信になる


勿論、崖っぷちに多く自生しているわけで
収穫は困難
多くは手に入れられないが
大きな前進となった

そこからは
2018年、2019年と
広島県は東広島にある国が運営する
日本酒類総合研究所にて
北海道のボタニカルを持ち込み
試験蒸留を幾度となく繰り返し試行錯誤

(北海道自生のミヤマビャクシンを持ち込み
アルコールに浸漬)↑

↑今回の第一弾のジンとしてリリースした
商品名:火の帆(HONOHO)「KIBOU」
のメインボタニカルとなる赤エゾマツの新芽

減圧蒸留、常圧蒸留、両方での
違いも試す

様々な北海道ボタニカルを単体で蒸留

以下↓これらの素材の単品での
スピリッツを試験蒸留

①ミヤマビャクシン
②赤エゾマツの新芽
③キタコブシ
④黒文字
⑤ヤマエゾモモ
⑥ホップ
⑦ラベンダー
⑧ウワミズザクラの実
⑨エゾミカン
⑩エゾノカワラマツバ
11.ヤブニンジンの実
12.フェンネル
13.ニガヨモギ
14.桜の葉
15.ハーブブレンド蒸留
(ミント、レモンバーム、タイム、セージ、ヤロウ,シーベリー等々)
16.ジンとしてのコアになる蒸留
(ジュニパーベリー、コリアンダーシード、アンジェリカルート、カシアバーグ、オレンジピール、レモンピール等々)

後にその単体ボタニカル蒸留を
ブレンドし、製品としての方向性を
決めてゆく

数十種類ものブレンドを経て
皆で試飲
製品化へ向けて協議をした

北海道の積丹町にジンの蒸留を立ち上げる
そのプランがスタートしたのが
2015年

そこから2016年、2017年、
北海道の植生調査、
海外に赴きジンの蒸留所調査
町を巻き込んでの
協議

2018年、2019年と
東広島にある日本酒類総合研究所での
試験蒸留
及び蒸留所立ち上げの途方もない準備

遂に5年の歳月を経て
ジンの蒸留所が立ち上がった

【Distillery Shakotan Blue】

なぜ【Distillery Shakotan Blue】なのか?

それは積丹町は北海道でも随一の
透明度の高い海を保有しており
『積丹ブルー』と呼ばれる海が
町としての観光名所となるのだ。
そしてウニが豊富に獲れる。
是非みんな行って欲しい

もともとこの積丹町にジンの蒸留所を
作る事業は積丹町として
新しい観光資源、活性化事業として
始まり蒸留所の代表の岩井さんに託された

知ってる人は知っている
積丹町はウニでとても有名だ
夏のウニのシーズンになると
たくさんの観光客が訪れ
道内のみならず全国から人が駆けつける

でもウニのシーズンが終わると閑散とする

札幌から近く
その先は観光地としても有名な小樽がある。
その先は余市町。
ニッカウィスキー、
余市ワインで名を馳せている余市町の
その先に積丹町はある。
道外からの観光客はほとんどが余市で
止まってしまう

この導線にはいま世界で名を馳せる
ジャパニーズウィスキーのニッカウィスキー
余市ワインがある。
そこにさらに北海道のボタニカルを集積した
ジンの蒸留所が積丹町に出来上がれば
素晴らしい酒類ロードができあがる


そう、積丹町まで足を運んでもらいたいのだ


もちろんネットでも買える。
ただ、実際に足を運んでもらいたい。
足を運んで自分の目で見て耳で聞いてみれば
北海道のボタニカル達がどのようにして
一つのボトルの中に溶け込み
ジンになってゆくのか。
体験できるだろう
その体験が北海道のボタニカルの理解を深めることができ、ジンという世界観がよりわかるだろう

その為に積丹町にはジンの蒸留所と付随して

自前でのボタニカル農園
宿泊施設も立ち上げ
北海道のボタニカルツアー体験を
今後計画している

そう、

【Distillery Shakotan Blue】
①蒸留チーム
②農園チーム
の二つに分かれている

鹿山は蒸留所の立ち上げの話しが
持ち上がった2015年から
お話しを頂き携わさせてもらいました。

この立ち上げからの5年間を通じて
北海道の人達の想いというのを
目の当たりしました。

今回は第一弾として
赤エゾマツの新芽を主体としたジン
商品名:火の帆(HONOHO)「KIBOU」
品 目:スピリッツ/ジン
アルコール度数:45%をリリース

今後も新しいプロダクト

北海道のフレーバーを詰め込んだジンを
お届けさせて頂きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?