バースプーン卒業し枝で回し始めた訳
ちょうどバースプーンを辞めて一年が経った。
そして枝で回してカクテル作り始めて一年が経った。
なので簡単に枝になった経緯を文章にまとめてみたいと思います。
古今東西人間感じるのは一緒で嬉しい事に
どこの国も人もちゃんと突っ込んでくれる
『えっ?何で枝で回してんの?』
ありがとう。突っ込んでくれて。
これだけでも会話が弾み綺麗なキャッチボールが成立する。
ちょうど一年前くらいに畑で草刈りの作業しながら新しいカクテルの事を考えていたら突然フワッと疑問符が沸いてきて
『なんでバーテンダーはこのバースプーンなんだろ?』って。
それで畑の作業中断してすぐ調べたら中世ヨーロッパの時代にあった物体を刺してすくいあげるのと液体をすくう両方を兼ね揃えたソケットスプーン(sucket)、19世紀薬剤師の計量と破砕を兼ねたマザグランスプーン(mazagran)、それらが後にカクテル発祥の地アメリカに渡りバースプーンとして変貌し今日の立ち位置になったようで。
そうかぁ。
じゃあもっと昔ってみんな何で混ぜてたのだろうか?
枝か...
枝だろうな
そう、その時たまたま畑での草刈りの休憩中だったからおもむろに枝を折って集めてみた。
そしたらなんかしっくりきて
あっ良いなぁ。
その時々のこの質感。
一期一会の持ちごたえ。
枝スプーンにして良かったこと。良く聞かれることをまとめてみると
【良かったこと】
①僕は人類最古の食器道具を使っていると自慢できる事。
②捨てても土に還る。
③枝バースプーンは取り替える必要があるが故に人が服を取り揃え衣替えするように僕もその日の気分で『今日はこの枝にしようかな?』なんてその日のテンションで枝を選ぶ事ができる。
これはステンレスのバースプーンではやらなく、つまりは選ぶ楽しさがある事。
④愛着が湧く。
全て僕の畑に生えてる枝を持ってきてる。
日本には四季があり同じ木でも水分の含有率も違う。冬にはその年に伸び過ぎた枝も枝打ちするし、新緑の季節なんかは元気いっぱいな若々しい枝葉付きの枝バースプーンだ。
季節を感じられる愛おしさがある。
【良く聞かれる事】
①『枝、回しづらくないの??』
(回答)
全ての枝が真っ直ぐではなく一本一本が一期一会で曲がりが違うので慣れないと回しづらいです。
でも1年間毎日枝で回してると僕なんかは持った瞬間にどこを軸にして握り回したら良いか瞬時に判断できます。
②『枝で回して味変するの?』
(回答)
変わらないです。
③『味が変わらないんだったらステンレスのバースプーンで良くない?』
(回答)
そういうステージの話しではなくただの浪漫でやってます。
④『シェーカーもそのうち畑の材料から?』
(回答)
やりたいなぁ。誰かアドバイスください
自分の畑で収穫した素材でカクテルを作り
調整器具もその周辺のもの。
こういう世界観が好きです。
BenFiddich店主 鹿山博康
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